当たり前だが、韓国人が日本に入国すれば、誰でも生活保護を受給できるわけではない。
「入国管理の段階で外国人の受給は受け付けない方向で運用されていますが、在留2世や日本人と結婚している場合などは、日本人と同じように資格を満たしていれば、受給できることになっています」
こう話すのは、関西国際大学の道中隆教授(社会福祉学)だ。日本国憲法で在留資格のある外国人の権利も守られているのだ。現在、厚労省が公表している最新のデータは11年のものとやや古いが、日本国籍を有していない生活保護受給者の数を紹介しよう。その総数は7万3030人(4万4364世帯)である。受給率は5.5%となり、日本人の受給率の約3.5倍である。
厚労省関係者が言う。
「この数字は外国人が世帯主である場合に限っています。今回の足立区の夫婦のように世帯主が日本人である場合はカウントされていません。その一方で、10年前に比べると、その総数は倍増しており、いわゆる在日コリアンの高齢化と無年金問題が背景にあるものの、全体の6割強が韓国・朝鮮籍が占めています」
2月5日に厚労省が発表した昨年11月時点での生活保護受給者の総数は216万4857人(159万5596世帯)となっており、過去最多を記録した。それだけ、外国人の受給者が増え、不正受給者も増えている可能性が高い。
実際に、12年5月には新宿・歌舞伎町で韓国人クラブを経営していた韓国人女性が生活保護の不正受給で逮捕されている。この女性も4年間で数億円の売り上げがありながら、毎月14万円の生活保護費を受け取っていた。こちらも億万長者の受給者だったのだ。
このように、逮捕された朴容疑者と共通点が多い。
「2年前の不正受給をしていた韓国人は偽装結婚と思われる婚姻期間があり、永住資格を得ていた。今回の朴容疑者は否定しているが、偽装結婚していた可能性が高い。07年に観光ビザで入国して、不法残留を経て、5年前に沼田容疑者と結婚して在留資格を得ているのだが、別々の場所に暮らしていた」(捜査関係者)
そして、この“偽装結婚”が不正受給の温床となっているのだ。在日韓国人に詳しいジャーナリストの李策氏はこう指摘する。
「日本で水商売をする韓国人は、在留資格を得るために、たいてい偽装結婚を望んでいます。当局の取締りもあり、だいぶ数が減ったとはいえ、ブローカーが存在していて、彼らが生活保護の不正受給まで指南していたこともあります。そもそも、そうした韓国人女性は不法残留をするなど、素性を偽ることにためらいがなくなっているうえに、金で戸籍を売り渡す偽装結婚相手も往々にして生活に困窮していますから、受給資格を満たしてしまうという面もあります」