悪質性が、とても高いケースも発覚している。1月15日に、兵庫県警は朴永錦被告を詐欺容疑で再逮捕。生活保護費約470万円をだまし取った疑いが持たれている。
地元記者が言う。
「朴被告はホームセンターから発電機を万引きしたとして逮捕・起訴されました。万引きの際に乗っていたのが、ポルシェ911カレラだった。不審に思った捜査員が調べたところ、4カ月間で2回も交通事故にあい、保険金約1100万円を得ていた。にもかかわらず、『うつ病になり仕事ができなくなった』と生活保護まで受給していたのです」
都市伝説のようなポルシェを駆る韓国人受給者が実在し、血税をむしり取っていたのだ。受給者は定期的にケースワーカーの訪問を受け、その生活実態を調査される。その際に、見破ることはできなかったのか。
大阪でケースワーカーの実務経験がある道中教授はこう話す。
「例えば、ポルシェを訪問時に見かけたとして、その車が本人の車かどうかを判断するのは難しいです。友人の車だと言い張るかもしれないし、名義だけ別人にしていたら、本人の資産とは認められないのです。福祉事務所は捜査機関ではないので、反証するのは難しいのが実情です。しかも、申請から14日以内に決定を下さなくてはならず、長期間の調査はできない。本当に保護が必要な方が亡くなってしまうかもしれませんからね。生活保護制度は性善説で成り立っており、悪意に満ちた申請者には太刀打ちできないのです」
12年、お笑い芸人の河本準一(38)の母親が生活保護を受けていたことで、不正受給がクローズアップされた。そのため、昨年12月に生活保護法を改正。受給額の引き下げ、親戚縁者への扶養確認が義務化、さらには不正受給の罰則規定も強化されるに至った。
しかし、前出・道中教授はこう指摘する。
「芸能人の不正受給疑惑は、結果的に返金したことで収束しました。つまり、芸能人たちの行為は不適正だが違法ではなかった。そうなると、生活保護制度そのものに問題があるのではという声が高まった。その声に応えただけの改正であり、実際には何も変わっていない。罰則規定も適用されるのは年に数件しかなく、悪質な不正受給には詐欺罪が適用されています」
ぜひとも、河本には不正韓国人に対して、「お前らを太らせる税金はねえ!」とお得意のギャグを飛ばしてほしいぐらいだが‥‥。
漫画「クロサギ」の原作者で詐欺事情に詳しい夏原武氏がこう話す。
「元来、不正受給はヤクザのシノギであり、現在も手法を変えて行われています。韓国人だけでなく、そうした日本人の不正受給も同様に大きく報道されるべきです。それは、不正受給の本質的な問題点でもあります。不正によって被害を受けるのは納税者ではなく、手助けを必要としている生活困窮者なのです」
肥えた悪人の傍らで、困窮者が餓死する世の中などあってはならないのだ。