その落合GMはというと、就任当初から「現場のことは全て(監督に)任せる」と現場不介入を明言していたはずだが、いざキャンプを視察してみれば、あれこれ言いたいことが出てくるというもの。2月5日はさっそく、ティー打撃中の荒木正博(36)に歩み寄り、バットを握って打撃指導。あの「神主打法」でみずからティー打撃の実演までしてみせたのだった。さらには、隣で打撃練習していた谷繁元信選手兼任監督(43)にも「レッスン」を施し、周りは張り詰めた空気に包まれたという。中日担当記者が言う。
「落合GMは『今の時期、他球団を見てもしょうがないだろ』と言っているし、他に行くところもない。2年間、現場から遠ざかっていたこともあり、することがないからちょっと教えようか、という具合で教えてみたんですよ。自分で獲ってきた小笠原道大(40)はどうなのか、チェックしたりも」
こうしたオレ流全開ぶりに、現場からは複雑な声が上がっているという。
「そりゃ三冠王を3度も獲っている人が言うんだから監督や打撃コーチの面目がどうのという以前に、誰も何も言えないでしょう。谷繁監督への『打撃指導』に関しては、監督自身は『教わっていたわけじゃない。バッティング談議をしただけ』と言っていましたが、あれはどう見ても監督が指導されているように映りますよね」(球団関係者)
ファンや選手の前でのふるまいに留意してもらわねば、それこそ監督の面目が立たないということになる。
「落合GMは練習後には谷繁監督と毎日話しています。『あの外国人、いい感じだけど使えそうか』と聞いてみたりと、内容は雑談に近いですが」(球団関係者)
サインの負担を減らして練習に集中させ、GMみずから熱血指導に乗り出す。
「落合総監督」的なオレ流チームの展望やいかに。
「落合GMは球団からは予算圧縮を言い渡され、総額8億円もの年俸を削減しました。なので補強らしい補強はできず、新戦力といえば給料の安い実力未知数の新外国人と小笠原、トライアウトで獲った前ロッテの工藤隆人(32)ぐらい。正直、落合GMに多少の焦りがあるという話は聞きます。昨年、ケガで戦力にならなかった吉見、浅尾拓也(29)が完全復活すれば浮上の兆しは見えますが、総合的に見て明るい要素に乏しいと思います。(昨年最下位の)ヤクルトとどっこい勝負だろう、という声もあるほど。ただ、昨年までの緩さとはうって変わって練習も厳しく、選手たちの意識も違っていますから‥‥」(スポーツライター)
シーズンでは、新たに展開される「オレ流ファンサービス」とともに結果も出せば、おのずと人気はついてくるのだろう。