さらに韓国のスポーツ紙「オーライスポーツ」は、浅田の転倒を、
「アサダマオじゃなくて『クロダマオ!』だ」
と茶化したのだった。
「クロダマオ」とは韓国語で「そんなことするな!」という意味なのだが、黒田氏はこう語る。
「日本のあらゆる失敗は韓国の喜びですから。今回なんかは、新聞・テレビに一斉に浅田さんが転んだ写真が出ているわけです」
韓国マスコミが浅田を口撃したのはこれが始めてではない。13年2月10日に大阪で開かれた四大陸フィギュア選手権大会で、浅田は205.45点をマークした。12年にキム・ヨナがドイツで出した得点を超える結果が出るや、中央日報はこんなタイトルで記事を配信したのだ。
〈「氷上に羽根が落ちる!」 韓国ネットユーザーが浅田真央の衣装を批判〉
その記事内容は、チンピラの言いがかりそのもので、
〈「羽根が氷上に落ちれば他の選手に被害を与えるのでは」「シーズン中に衣装も変えて、浅田真央はお金がたくさんあるようだ」などと悪評を出している〉
というシロモノだった。なぜ、韓国メディアはこれほどまでに手段を選ばず、キム・ヨナの金メダル奪取の手助けをするのか──そこには韓国の平昌で行われる次期冬季五輪への思惑があるのだという。前出・黒田氏が解説する。
「韓国人は着々と準備をするタイプではなく、泥縄式です。4年後の開催のことを考えてインフラ整備はまだ進んでいません。こういう世界的イベントを都市がやるセンスはないので、国家が主導します。ソチ五輪は平昌に備えてのデモンストレーションの意味もあり、看板としてキム・ヨナを押し立てているわけです。キム・ヨナを勝たせるのは国策の一環と言えます」
韓国が自国開催する五輪を盛り上げなければならない理由は、国威のためだけではない。ジャーナリストが明かす。
「平昌は11年に開催地として選ばれたのですが、00年に韓国の財閥企業である現代、ロッテ、サムスン、GSカルテックスが都合250万ヘクタール以上の土地を買いあさったそうです。雪の問題や設備の問題もあり、北朝鮮などとの共同開催さえ噂されています。このままいけば買い占めた土地の暴落は必至で、少しでも土地の値段を上げるために、キム・ヨナの勝利による土地投資の盛り上がりが必要なのです」
そして多くの韓国メディアには、こうした財閥系の資金が流れ込んでいる。前出・黒田氏はこう語る。
「一般論ですが、韓国では自身に有利な記事を報じると、財閥などがお金をくれるのです。また、財閥は取材に際して、宿泊費・交通費などを出して取材をさせます。メディアや人によっては、ある種のスポンサーになっているのです」
わずかな小銭を目当てに、浅田を叩く韓国メディア。ドス黒い欲望に浅田のラスト・ダンスが汚されようとしているのだ。