「川崎記念」◎郡司浩平/○松浦悠士/▲吉田拓矢/△清水裕友/宿口陽一/守澤太志/東口善朋/成田和也/松谷秀幸/深谷知広/吉澤純平/野原雅也
勝てないまでも、先行ラインにつけて連絡みを狙うのがベテラン選手だ。
「川崎記念」(4月14日【木】~17日【日】)はSS班の6人に、特別の決勝戦に進出した好調な1班選手も加わる豪華メンバー。細切れ戦が濃厚で、ゴールまで目の離せない激戦になりそうだ。
居並ぶ強敵をものともせず、郡司浩平が地元記念3連覇を飾る。昨年は全日本選抜も制しているように、ホームバンクでは無双といっていい。先行する深谷知広につけ、松谷秀幸が3番手を固めるようなら、南関勢は断然有利の3者ライン。ここを勝って次走のいわき平ダービー(5月3日~)に弾みをつける。
松浦悠士の動きがいい。取手全日本選抜と宇都宮ウィナーズCは、ともに決勝戦2着で、いずれも勝ちに等しい惜敗だった。清水裕友との中国コンビで早めに仕掛けて逆転にかける。
あとは混戦待ちの吉田拓矢のまくり一閃と、ウィナーズCを制した清水の台頭を警戒する。
43歳の成田和也が、全日本選抜とウィナーズCでファイナリスト入り。強引な競りと、それに伴う落車失格で低迷した時期もあったが、巧みな位置取りでよみがえった。印は回らなかったが、先行ラインの3番手から連絡みはある。
【大穴この1車】岩谷拓磨(福岡・115期)。
西日本のS級戦で人気になっているものの、グレード戦ではまだ万車券メーカーの一人だ。昨年12月の伊東記念3日目2着は1万円も、2月高知GIII(〈1〉〈4〉〈3〉〈3〉)の決勝戦では5万7890円のビッグショット。
さらに特別初出場だったウィナーズC最終日3着で約2万円。ちなみに高知の優勝者は大分の選手で、ウィナーズCの1着は、ここを走る瓜生崇智(熊本・1班)だった。九州期待の機動型。高配当をまとめて2本出すようなら、それで打ち止めになるかもしれない。
【狙い目の伏兵3人】
S級入りから1年余になる青野将大(神奈川・117期)が着実に伸びてきている。ここは地元戦でラインはできる。初日は1着で手広く流したい。
青野と同期の鈴木陸来(静岡)は、準決勝に乗った2月静岡記念(〈1〉〈3〉〈6〉〈8〉)が光る。大崩れしなくなっているだけに、静岡記念の再現も十分ある。
昨年6月に特昇で返り咲いた伊東翔貴(福島・100期)は、S級戦でまだ準決勝止まりだが、今年、記念で2勝した果敢な戦いぶりが強く印象に残っている。31歳になるが、大化けがあるのではないか。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。