「松戸記念」◎郡司浩平/○古性優作/▲新田祐大/△守澤太志/平原康多/諸橋愛/荒井崇博/和田健太郎/深谷知広/三谷竜生/松本秀之介/吉田有希
先行有利な33バンクでは、先陣を切るラインが戦いの主導権を握ることになる。
ナイターで行われる「松戸記念」(8月26日㊏〜29日㊋)は、SS班5人のうち、東日本が4人と東高西低の選手構成になる。ただし、西勢は実力者が目白押し。先行有利のバンクとはいえ、タテ脚で勝負する選手の台頭に要注意だ。
松戸と同じ33バンクの記念を今年2度(前々走の富山と4月小田原)制している郡司浩平が断然の主役を務める。南関は深谷知広─郡司─和田健太郎の鉄壁3車。深谷の快速逃げに乗って突き抜けるとみた。
対抗は古性優作。中部近畿ラインで三谷竜生との前後は2人の調子しだいだろうが、南関の4番手につければ逆転がある。あとは、新田祐大─守澤太志で並ぶ北日本両者を警戒したい。
10年連続、通算13年のSS班在籍を誇る平原康多が、苦しい戦いを強いられている。強靭な肉体と豊富な練習量で数えきれないほどの落車禍を乗り越えてきたものの、今年はまだ優勝がない。6月に41歳になったが、まだギブアップする気はない。復活の日が来ることを信じたい。
三谷の調子のよさが目を引く。持ち味のまくりがよく決まっているだけでなく、番手戦も巧みになっている。古性とタッグを組み、快走劇を演じるシーンがあってもおかしくない。
【大穴この1車】
小川勇介(福岡・90期)。
記念は3月松山(①⑥②①)の3日目に1万円超、最終日は59万880円の高額配当を演出して以来の参戦になる。GⅠはオールスターまで4戦すべて走り、3戦で万車券を出している。直近では完全Vを飾った6月玉野で初戦1万円超、2日目4万円超。ゴール前の鋭い差し脚は追い込み選手ならでは。ここまでは1、2着の結果も、人気薄ラインの番手なら3着も含めて手広く流したい。
【狙い目の伏兵3人】
今回は119期に注目選手がそろった。鈴木浩太(千葉)は、師匠の山中秀将(S2)も出走するのが心強い。先手を取って逃げ切りがある。
橋本壮史(茨城)はグレード戦初出走だった4月GⅢ久留米でいきなり優勝。その後も6月大垣記念で決勝戦に乗り、オールスターにも選ばれた。予選突破は十分ある。
3人の中では20歳と最も若く、師匠が叔父・林成人(A2)の林昌幸(愛媛)だ。前回4月のここは(⑤③①)。初日に好走して勢いに乗りたい。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。