「高知記念」◎脇本雄太/○松浦悠士/▲新田祐大/△犬伏湧也/佐藤慎太郎/平原康多/荒井崇博/山崎芳仁/稲川翔/宿口陽一/渡邉雄太/町田太我
体調に不安があっても、底力で対戦相手をねじ伏せるのがトップクラスの選手でもある。
「高知記念」(4月6日【木】~9日【日】)は、同バンクで行われた2月全日本選抜に続く今年2度目のグレード戦にふさわしく、SS班5人が参戦。チャレンジャーに若手機動型がそろい、見応えあるスピード戦が展開されることになりそうだ。
本命は“令和の怪物”とも言える脇本雄太を推すしかない。体調に不安を残しながら別府ウィナーズCで準優勝したのは、底力があってこそ。近畿ラインで稲川翔がガードする今回は、持ち味のカマシまくりで決着をつける。
ウィナーズCを制しながら、前走の玉野記念で2着に敗れた松浦悠士が逆転候補。中四国は町田太我─犬伏湧也─松浦で結束する。2周先行も辞さない2段ロケットは、松浦にとって何よりのアドバンテージだ。
あとは後方一気の新田祐大と、犬伏の台頭を警戒したい。
SS班から1班に戻った宿口陽一が、伸び伸び走っている。1月大宮記念の〈2〉〈1〉〈3〉〈4〉が光り、その次走だったFI豊橋で優勝。さらに全日本選抜でも2勝している。ここは同県の先輩、平原康多の前で、大暴れもあるのではないか。
【大穴この1車】岩谷拓磨(福岡・115期)。
落車負傷による欠場があり、今年は4場所走っただけだが、そのうち3場所で5本の万車券を演出している。記念は決勝戦に進出した3月大垣(〈2〉〈3〉〈1〉〈9〉)の準決勝が2万8340円。1月大宮(〈8〉〈2〉〈4〉〈2〉)の2着2本は、どちらも3万円超の高配当だった。ここもまくりで2発がある。
【狙い目の伏兵3人】
早期卒業のエリート、太田海也(岡山・121期)が、今年初戦の玉野記念で〈1〉〈2〉〈3〉〈9〉と好走した。自転車競技の海外遠征が多く、競輪は久しぶりの連戦。玉野以上も期待できる。
快速ぶりで太田に負けていないのが7月から1班選手の志田龍星(岐阜・119期)。記念では、よく予選を突破しており、準決勝でどこまで粘れるか。
関東の若手では蕗澤鴻太郎(群馬・111期)の行きっぷりのよさが目立つ。ラインができれば逃げ切りがある。
最終日に行われるガールズの1発勝負「フレッシュクイーン」は、120期6人と122期1人による戦い。傑出した存在は見当たらず、◎吉川美穂、○飯田風音、▲太田瑛美、△山口真未の順とみたが、波乱があってもおかしくない。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。