佐世保「全プロ記念」◎松浦悠士/○古性優作/▲平原康多/△新田祐大/佐藤慎太郎/宿口陽一/守澤太志/郡司浩平/清水裕友/吉田拓矢/浅井康太/新山響平
修正能力を持ち合わせていることも、一流選手の条件である。
2日間の短期決戦、佐世保「全プロ記念」(5月28日【土】~29日【日】)は、SS班9人を含む成績上位27選手が目標にするSPR賞と、それ以降の選手によるダイナミックステージの2クラスに分かれている。有力候補はSPR賞が対象になる。
ここを2連覇しているのが松浦悠士だ。盟友の清水裕友との前後は2人の調子しだい。自在戦で3連覇を飾るとみた。ちなみに清水は武雄記念、ダービーと2場所続けて決勝戦に乗れなかった。歴戦の疲れが出たのだろうが、今までも立て直した実績がある。優れた修正能力の持ち主だけに、ここは万全の状態で2日間を走りきるとみている。
静岡GP、取手全日本選抜を制した古性優作は、すでに王者の風格さえ感じさせる。単騎戦濃厚だが、好位からまくり一閃がある。
あとはレース巧者、平原康多の台頭と、1カ月半ぶりの実戦になる新田祐大の後方一気は軽視できない。
【大穴この1車】
神山拓弥(栃木・91期)。
1月からのグレード戦4場所で、2度ファイナリストと健闘している。ダービー初戦2着は1万円超だったが、3月宇都宮ウィナーズC(〈2〉〈2〉〈2〉〈4〉)の準決勝が4万3940円。2月取手全日本選抜(〈1〉〈3〉〈6〉〈9〉)の2日目3着は9万6210円だった。また、昨年11月の競輪祭では2着15万円と3着2万円超を演出している。関東では名うての追い込み選手。1着では意外と配当がつかないので、狙いは2、3着流しだ。
【狙い目の伏兵3人】
松本秀之介(熊本・117期)が、着実に力をつけてきた。GI初挑戦だったダービー(〈6〉〈7〉〈5〉)はいい経験になった。ここは九州の先頭で風を切る。
松本と同期の町田太我(広島)は、すでにGIを4度走っている。徹底先行に迷いはなく、勝ち上がれば大暴れがある。
SS班の吉田拓矢の弟、吉田有希(茨城・119期)は、前々走のGIII青森(〈1〉〈1〉〈1〉〈8〉)が光る。レースにまだ甘さはあるものの、素材は一級品で最年少の20歳。兄の前で、その成長ぶりを見せることになる。
ダイナミックSは混戦模様だが、本命は若手先行につけられる長島大介。以下○小松崎大地、▲取鳥雄吾、△井上昌己とみた。
印は回らなかったが眞杉匠も怖い。ダービーで2年連続決勝戦に進出したのは底力があってこそ。先行がそろい軽視したが、快勝劇があってもおかしくない。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。