政治

佐藤優×石川知裕「地検特捜の暴言」(2) 小沢逮捕のための道具にされたんです

佐藤 9月26日に石川さんの判決(禁錮2年・執行猶予3年。控訴中)があり、10月6日に小沢さんの公判が始まった。そこでは石川さんがご自身の取り調べ時に録音したICレコーダーが法廷で再生されました。特捜は「隠し録りなんて政治家のやることじゃない!」って本気で怒ってるんだろうけど。
石川 録音は違法じゃないかってよく聞かれますが、違法じゃないんですね。
佐藤 録音を石川さんに強く勧めたのは実は僕なんです。検察がフェアでリークとかしないなら、こんなことする必要はなかったんです。でも、石川さんが検事にしか話していないこと、弁護人にも話していない話が、なぜかメディアには出てしまう。もはや自分の身は自分で守らなくては危ないですからね。
石川 調書の漏洩には驚かされました。私がしぶしぶ書かされたものが翌日の新聞にそのまま載ってるんですから。裁判所が採用しなかったものだというのに。
佐藤 取り調べは誰が?
石川 吉田正喜副部長が取り調べに来たこともありました。小沢さんですら主任検事クラスなのに(苦笑)。それで「石川さんは、これまでコストをかけて成立させた政権交代(で生まれた民主党体制)を潰してもいいと思いますか?」と聞いてくるんです。
佐藤 民主党が捜査対象になっているわけじゃないのにね。
石川 政権を潰すかどうかは検察が決めるんだ、とでも言いたげな勢いです。
佐藤 勘違いもはなはだしいね。大して難しくもない司法試験に何年もかけてようやく受かっただけのくせして。
石川 それと、検事が繰り返し言うのは「今ならまだ新しい人生が始められる、罪を認めなさい」という言葉です。
佐藤 検事はそれを半ば本気で親切と思って言っている。ただ、有罪であるという前提のもと、という但し書きは付くけれど。
石川 検事さんからはこんなことも言われました、「お前の裁判はヤクザの裁判と似てる」って。
佐藤 そんなこと言うの。それは暴言でしょう?
石川 手足の指十本を全部詰めたヤクザの話なんかも出してきましてね。何か怖かったですよ。
佐藤 明らかに脅迫です。
石川 そもそも「共謀」ということで容疑をかけられているのですから、まさにヤクザに対する裁きなんです。親分が指示しなくても子分は親分の言うことを忖度するものだという筋書きです。
佐藤 親分は「やったらダメだぞ」と言ったけど「目でパッと合図」した、みたいなね。暴力団排除条例ときわめて近い発想だ。
石川 私も、小沢さんから細かい指示は受けなくても小沢さんの意図をおもんぱかってやった、という見方をされたんですね。でも実際、自分が代議士やってなおさらわかりましたけれど、収支報告書なんか秘書しか見ないものなんですよ。大久保(隆規)さん(元公設第一秘書。禁錮3年・執行猶予5年。控訴中)も見ていません。有力秘書を会計責任者にして、下の者が事務をやっているのが通例です。でも、共謀だと「推認」された。あの小沢一郎の秘書だから、というイメージ先行なんでしょうね。
佐藤 検察担当の新聞記者から石川さんの秘書に「検事が石川は(小沢につなげる)階段だ」という情報を伝えてきた。石川さんからこの話を聞いた時、これで僕は、始まったな、逃げられないなって思った。階段とはつまり、石川さんは小沢逮捕のための道具。旧ソ連の粛清裁判のようなものです。鈴木宗男さんをアゲるために僕が狙われた構図を思い出した。
石川 実際、「まだお入りにならないVIPの方のために部屋を用意している」と取り調べ中に言っていました。あとで小沢さんに話したら、驚くと同時に激怒してましたけど。

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