11月に開催されるカタールW杯サッカー日本代表のメンバー入りを目指し、CFのポジション争いが激化している。
これまで日本代表のワントップといえば、大迫勇也(神戸)が不動のレギュラーに定着。が、3月に行われたW杯出場を決める大一番のオーストラリア戦はケガで欠場した。
第10節を終えたJ1リーグでも、無得点と沈黙。本人もヒシヒシと危機感を感じているようで、4月9日にチームのオンライン取材に応じ、
「率直に言って、今のままじゃ(W杯メンバーに)選ばれないかなというふうに感じています」
と、心境を吐露している。復調の兆しが見えないエースとは裏腹に、ライバルの古橋亨梧(セルティック)や浅野拓磨(ボーフム)、上田綺世(鹿島)は、ゴールやアシストでアピールを続ける。
そんな中、「このまま活躍すれば、まさかの大逆転でサプライズもありえる」とサッカー関係者の間で秘かに注目されているのは、J2・横浜FCに所属する小川航基だ。
「10試合で10得点(4月20日時点)と大爆発しています。第7節の山形戦では、センターサークル付近で相手の強烈なチャージを受けながらボールをキープ。寄せてきた選手の股を抜き、ミドルシュートを決めたスーパーゴールをはじめ、ピンポイントでクロスに頭で合わせるなど、無双状態に。チームの首位独走の原動力になっています」(サッカーライター)
今や鈴鹿に移籍した三浦知良に代わって横浜FCのアイドルになった小川だが、シーズン前は崖っぷちといえるほど、苦境に陥っていた。サッカーライターが続ける。
「高校時代はスター選手として注目を浴び、鳴り物入りで16年に磐田に入団。東京五輪のエース候補と期待されましたが、19年に水戸に育成型期限付き移籍するまでJ1リーグで取ったのは、わずか1ゴールのみ。20年に磐田に戻ってからもポジション争いに敗れ、ベンチ外になることも。『万能型のFWだけど、特徴がない』と、選手間で揶揄されました。そんなタイミングで、半ば再起を懸けて横浜FCに完全移籍。今年、結果が出なければ、三行半を突き付けられてもおかしくなかったんです」
ドン底の状況から才能を開花させた小川。J2といえど、点を取り続ければ日本代表の森保一監督も無視することはできないはず。W杯代表発表で「超大穴」がサプライズ選出となるか。