ユニクロの肌着CMの綾瀬はるかが尊い。
朝はグレーの肌着1枚で、歌を口ずさみながら目玉焼きを作るシーン。職場では、白肌着の上にジャケットを羽織って颯爽と打ち合わせに向かうシーン。アフター5は赤い肌着で友人と卓球で汗を流するシーン。
商品が商品だけに、強調されるのはバストだ。さらに、夜。1日の終わりに、自宅ダイニングで3人の綾瀬が「カンパーイ」。真ん中グレーの肌着姿の綾瀬が前かがみになり、さりげなく胸の渓谷を拝めるというサービスショットも。
これは「いろんなわたし篇」と題し、「ブラトップ」をアピールしたもの。新しい商品を身に着けて日常の様々なシーンを3人の綾瀬が演じ、明日も頑張ろう!と女性たちにエールを送るコンセプトで、見ているこちらも元気がもらえる。女性にも男性にも好感度が高い綾瀬だから成立するCMだろう。
ところで、この「ブラトップ」。最大の特徴は、肌着なのに1枚でもOK、という点にある。綾瀬のCM効果で、今夏もますます需要が増えるに違いないアイテムだ。
女性にとっては、タンクトップやTシャツと同じような感覚で、これ1枚でも外に行けるというのが嬉しい。以前はアンダーウェアを着けてタンクトップを着てと2枚重ねになり、おまけに薄手の素材だと透けてしまうという悩ましい問題もある。それを一挙に解決してくれたのがこれなのだ。もっとも、男性にはウケが悪い。なんといっても実用性オンリーで、色香は皆無だから。
とはいえ、あれは肌着だとみる男性もいる。そういう男の中には、「女性にあれ1枚でウロウロされると目のやり場に困る」という意見や、「完全にいやらしい目で見ている」という意見も。
女性と男性のこの感覚の違い、何かに似てるぞと思ったら、小学生の頃のスカートにまつわる話だ。男子にスカートをめくられても「体操着を穿いてるからOK」「見せる用だからOK」っていうあの謎のルール。そもそも「見せる用」って何なんだ。見せるために穿くって意味不明。女子的にはOKってことだったが…。いつの時代も「男と女の間には深くて暗い河がある」のだ。
それにしても、「ブラトップ」を考えたユニクロには感謝しかない。初代CMキャラクターは、今や福山雅治夫人の吹石一恵、佐々木希もいたような…。昨今、テレビドラマでも極力、女優の肌見せが減っているが、CMの中では出しっぷりがいいから。眼福眼福。
(堀江南)