元プロ野球選手で、昨年まで福岡ソフトバンクホークスで投手コーチを務めていた倉野信次氏は2011年からのチーム3軍制導入に伴い、3軍投手コーチとして、20年に最多勝利を獲得したエース・千賀滉大を育てるなど、現在のソフトバンク投手王国の足掛かりを作った人物である。
その倉野氏が、元巨人でMLBでも活躍した上原浩治氏のYouTubeチャンネル「上原浩治の雑談魂」に出演。4月22日付け投稿回で、選手を伸ばすコツについて持論を展開した。それによると、「まずこの短所を言っていいものかどうか」を吟味し、それを伝えた後に短所改善に取り組む。その結果、「短所を直すことを意識して長所が薄れてきたなと思った瞬間に、短所を直すのをやめよう」と判断するという。そして「誰にも負けないぐらい長所を伸ばそうよ」と。
その流れに乗って「上原のフォークです!」と、上原氏の代名詞ともされるフォークを口にした倉野氏。すると上原氏は「それもボク、工藤さんのお陰です」。
昨年までソフトバンクの監督を務めた工藤公康氏は現役時代、巨人に移籍して上原氏の同僚となる時期があった。「球種を増やそうと思ってるんです」と上原氏が相談したところ、「今、自分が持ってる球をもっと磨け」とアドバイスを受けたのだとか。上原氏はよりキレのあるストレートと、よりコントロールの定まったフォークボールの習得を追及し、「それがうまいことハマりましたね」。
倉野氏も、左右両サイドにフォークを投げ分け操る上原の技量を「なかなかマネできない」と評価した。
一般企業などでも、部下の教育においては短所に目が行きがちになるが、今一度、長所を見つけ、伸ばす努力が必要かもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)