春GIシリーズで盛り上がる中、リーディングジョッキー争いは川田騎手が独走中だ。2位と3位は若手の岩田望騎手と横山武騎手、5年連続リーディングのルメール騎手は4位に甘んじている。上位を走る3名の得意&不得意コースをチェックして、資金の倍増を狙おう。
桜花賞で7番人気のスターズオンアースを勝利に導くなど、58勝(重賞4勝)の川田将雅騎手(36)が初の全国リーディング獲得に向けてトップを快走している(4月17日終了時点)。
一方、17年から5年連続リーディングに輝いているC・ルメール騎手(42)は36勝(重賞0勝)の4位。すでにその差は22勝までに広がっている。スポーツ紙栗東担当記者が話す。
「川田騎手は昨年3月の高松宮記念で史上9人目の重賞通算100勝を達成し、11月には米国のBCフィリー&メアターフをラヴズオンリーユーとのコンビで制覇。日本人として初のBC優勝に輝くなど、まさに今、円熟期と言えますね」
19年から152勝、167勝、136勝と3年連続で3ケタ勝利をマークしているが、特筆すべきはその内容だ。連対率4割、3着内率(複勝率)は楽々と5割を超えている。
週刊アサヒ芸能連載でおなじみの競馬ライター・伊吹雅也氏が解説する。
「栗東所属だけあり、阪神の芝外回りコースが狙い目です。表の得意コースに挙がらなかった芝1600メートルでさえ、3着内率は61.7%(複勝回収率96%)ですからね。ただし、同じ阪神の芝でも内回りの1200メートルは、勝率4.2%と低調なので軽視したいです」
川田騎手は芝1200メートルGI高松宮記念(中京)とスプリンターズS(中山)の春秋連覇を成し遂げているだけに意外に思えるが、それには理由があるようで、
「昨年30勝した中内田厩舎とのコンビをはじめ“お得意様”の厩舎が芝1200メートル戦をあまり使わないことが一因かと。やはり、川田騎手の狙い目はマイル以上のレース。特に阪神芝1600メートル以上や中京の芝2000メートルで継続騎乗の時は、鉄板級の信頼度です」(栗東担当記者)
川田騎手の特徴のひとつが、騎乗数の少なさであり、騎乗馬に対するジャッジの正確さだ。東の美浦トレセン関係者も感心する。
「連勝馬の継続騎乗依頼でもシビアに断る。調教師も驚くほどのクールさです。好レースをしたあとのコメントで『精いっぱい頑張ってくれました』なんてトーンの時は『頭打ちですね』という意味合いも含まれているそうです」
馬券術的にみれば、川田騎手からの乗り替わりは、たとえ人気馬でも疑ってみる価値はありそうだ。
「19年4月13日~22年4月10日に施行されたJRAのレースに川田騎手で出走した馬の次走の成績を調べたところ、継続騎乗の馬は3着内率57.2%、他の騎手に乗り替わった馬の3着内率は37.6%。一般的に乗り替わりの馬は好走率が低くなりがちですが、20ポイント近く差がついているだけに注意したいところです」(伊吹氏)