目下、47勝で全国リーディング2位につける岩田望来騎手(21)も、2月19日にGIII京都牝馬S(阪神芝1400メートル)で重賞初勝利を飾り、波に乗っている。
「その時にコンビを組んだロータスランドと次戦で挑んだのがGI高松宮記念(中京、芝1200メートル)。5番人気でクビ差の2着でしたが、勝ち馬に等しい好内容でした」(栗東担当記者)
中京の芝はデビュー年を除くと好結果を残しており、3着内率37.2%(複勝回収率91%)をマークしている。だが、東京芝はコースごとの偏りが激しい。
「芝2000メートル以上の3着内率は17.6%(複勝回収率28%)といまひとつ。当面は東京芝1400メートルと芝1800メートルを中心に狙ってみたいですね」(伊吹氏)
栗東所属だけに阪神芝の成績は比較的よく、20年以前を除くと3着内率33.8%(複勝回収率79%)。東京芝を大きく上回る。
「ただ、内回りコースの芝2000メートルや芝2200メートルは低調です。21年以降、JRAの芝における距離別成績を見ると、1600メートル未満の3着内率が43.9%なのに対して、1600メートルが34.5%。1600メートル超になると31.2%。ちょうどマイル戦くらいのところに大きな壁があり、短距離のほうが信頼できるタイプですね」(伊吹氏)
実は、その点を本人も課題に挙げていたようで、
「今年1月16日の中京12R(ダ1400メートル)、8番人気のゼンノジャスタを1着に導いた時、レース後のインタビューで『1400の距離がいいんですかね‥‥ボクが』とポツリ。報道陣が『馬の話じゃないの?』と顔を見合わせたことがありました。続けて『いや、でも1400じゃアカンんねん。1600とか、2000とか、こなさないと。1400が得意じゃアカンねん!』と自分に言い聞かせるように話していました」(栗東担当記者)
JRAの平地GIは年間24レースある。そのうち1600メートルと2000メートルが13レースあり、1400メートル戦は皆無だ。
「4月16日のアーリントンC(阪神芝1600メートル)では、3番人気のディオで中団の内をロスなく回るも、直線で前が壁になって5着。同じ舞台の桜花賞でも位置取りも折り合いもよく、優勝した川田騎手のスターズオンアースとほぼ同じ位置にいながら0.2秒差の9着でした。このあたりが本人も自覚している課題なんでしょうね」(栗東担当記者)
岩田望騎手の得意な1400メートル戦は、狙ってみる価値がありそうだ。