東のトップは現在41勝で全国3位につけている横山武史騎手(23)だ。20年に関東リーディングを史上最年少で獲得し、昨年は皐月賞をエフフォーリアで制するなどGI5勝をあげる大活躍。勝ち鞍も初の3ケタを記録した。スポーツ紙美浦担当記者によれば、
「ダービー(東京芝2400メートル)こそ2着惜敗でしたが、菊花賞では4番人気のタイトルホルダーで華麗な逃走劇を演じてみせた。さらに天皇賞・秋(東京芝2000メートル)もエフフォーリアとのコンビで制し、確実にステップアップしましたね。社台系の騎乗依頼がグッと増えています」
平均単勝人気を見ても、20年の22.4倍から、昨年は一気に13.4倍までアップしている。とはいえ、川田騎手とは異なり、成績にはバラつきが目立つ。
「中京はコースごとの隔たりが多少あるものの、得意とみてよさそう。集計期間中のトータルでも3着内率は32.6%(複勝回収率94%)でしたからね。一方、阪神では3着内率が17.1%(複勝回収率47%)と、まだ結果を残せていません」(伊吹氏)
中京と同じ左回りの東京にしても、芝2000メートルでは好成績を残しているが、
「芝、ダートを問わず、2000メートル超のレースでは3着内率が20.0%(複勝回収率33%)と、割り引きが必要です。ちなみに東京芝コースの3着内率は、20年以前よりも大幅にアップしていますが、とにかく単複の回収率が低い点が気になります」(伊吹氏)
現時点では人気先行のようだが、そこは本人も自覚しているという。
「19年の秋に短期免許で来日した憧れのL・デットーリ騎手(51)の騎乗を見て、かなり刺激を受けていました。理想のヨーロピアンスタイルを目指して、鞭の持ち替えや体幹トレーニングなど日々、取り組んでいます。もともと右利きですが、今では食事や執筆、ボウリングやダーツに至るまで左手で器用にこなしている。もちろん、川田騎手との技量の差は歴然ですけど、川田騎手が23歳だった頃と比べれば見劣りしませんし、騎乗馬や信頼度は上でしょう」(美浦担当記者)