東の大関は長澤まさみである。意外と知られていないが、デビュー当時はグラビアDVDや写真集を数多く出していた。
「グラビア活動は限定的でしたが、それでも16歳でグラビア卒業宣言の記録はいまだ破られず(笑)。ラストイメージDVDでの冒頭、浜辺でTシャツを唐突に脱ぎ捨て、ボヨーンと巨胸が飛び出すシーンが鮮烈だった。グラビア⇒女優は東宝シンデレラでは既定路線で、またたく間に若手トップに躍り出たのは、特に不思議ではないと思います」(芸能評論家・織田祐二氏)
西の大関には、昨年、「anan」で見事な手ブラショットを披露した倉科カナが入った。前出・織田氏が言う。
「歴代のミスマガジンでも屈指の巨胸。グラドル期間は3年ぐらいですが、2枚のイメージDVDは今もamazonで上位入りを果たしています。1stは06年発売で、出し惜しみなし見せ惜しみなしのグラドル流儀。今の女優然とした彼女では考えられない奔放さで、いい時代でした」
実はグラドルから朝ドラ主演は宮地真緒以来だったが、倉科はその後も数々の人気作にクセのある役どころで出演している。
東の関脇は、グラビア年齢を引き上げた功労者の井川遥だ。元「ジャズ批評」編集長の原田和典氏が熱く語る。
「VHS全盛のグラビアシーンにおいて、ギャルっぽい優香とはまた異なる“癒やし系の魅力”で一世を風靡。背が高くて足が長くてスタイルが良く、男にとっては『高嶺の花』だったりするものだが、表情や声のやさしさ、たっぷりした唇が、なんともいえない親しみやすさを与えた」
役者としても着実に実績を積み重ね、「半沢直樹」(20年、TBS系)の智美役を始め、今では堅実な名脇役になった。
西の関脇は吉岡里帆である。前出・原田氏が続ける。
「吉岡に好意を持てない男はいるのだろうか? 『どんぎつね』のCMを例に出すまでもなく、存在そのものが優しくまったりしていて、あざとさ込みで『騙されてもいい』と思わせる。本当の実力はどうなのかと思って、下北沢の本多劇場に舞台『白昼夢』を観に行ったのだが、思いのほか声もよく通るし、小柄なはずなのにステージでは大きく見える。役者としてのポテンシャルは高いと思う」
東小結は壇蜜だ。前出・織田氏によれば──。
「痴性派のカリスマから知性派のマルチタレントへ。最初の映画の演技は微妙だったが、どんどん本領発揮して、演技力が開花していった印象です」
三役最後は西小結のMEGUMIが入った。
「小池栄子同様、グラビアで名前を売り、徐々に着ていく戦略を体現しました。今や名脇役で、NHKからテレ東まで、各局のドラマに出ている印象。19年には第62回ブルーリボン賞助演女優賞にも輝きました」(前出・織田氏)
それぞれの出世の仕方である。