安全保障の面ではどうなのか。断交とは戦争寸前の状態でもある。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が言う。
「現状のまま断交となれば、何の影響もないでしょう。日本も韓国もアメリカの同盟国ではありますが、日本と韓国との間には軍事的な結び付きはなく、現在だって韓国軍からの情報はアメリカ経由で日本に入ってくるぐらいですから、何の問題もありません」
昨年、日本と韓国は軍事協定を結ぶ予定だった。ところが、すでにご破算となっている。
「事務方レベルで話し合いを重ね、調印の数時間前に韓国がキャンセルしてきたのです。外交儀礼上、こんな無礼なふるまいはありえません」(室谷氏)
これも、韓国政府が国内の反日世論を抑え切れなかったがためだという。
「特に、軍OBが影響力を持っていて、このOBたちが猛烈な反日勢力です。そのために破談となったのでしょう。とはいえ、スーダンで自衛隊が銃弾を貸しただけで、あれほど大騒ぎをする国ですから、協定にどれほどの意味があったのか疑問です」(黒井氏)
しかも、後章にある韓国国防軍の事件簿を併せ読めば、戦争寸前になっても恐るるに足らずとも思えてくる。今こそ、韓国との「国交断絶」をする絶好機なのではないか。
ところが、「これから日本と世界経済に起こる7つの大激変」(小社刊)の著者で、経済評論家の渡邉哲也氏はこう話すのだ。
「断交するにしても、日本は多くの問題をクリアしなくてはなりません。在日コリアンの処遇はどうするのか、ともに米軍が駐留している日韓ですから、アメリカへは事前に入念な根回しも必要になります。そんな手間をかけるのはもったいないので、通貨スワップの停止はもちろん、韓国国内にある日本の資金を引き揚げるだけで十分でしょう。何も経済制裁なんて大げさなものでなく、金融庁がSBJ銀行に勧告して、日本の資金を韓国で運用することを停止させたように、通常の措置を取れば韓国はすぐに音を上げます」
韓国と同レベルまで日本が落ちる必要などないのである。
「韓国という国家は冷戦構造の中で日米が多額の資金と技術を与えて作り上げた。冷戦終結とともに反共の壁としての役割は終わり、通貨危機後に参入した海外資本に支配されている『虚構の国家』なのです。またワガママを言えば、日本が助けてくれると思っているのですから、無視すればいいのです。そして、向こうが断交と言いだした時の準備だけをしておけばいいのです」(渡邉氏)
そう、日本は韓国の生命線を握っている。イザという時は、ただ捨て置けばいいだけなのだ。