5月18日夜、山口県阿武町の4630万円誤送金を巡る問題で、田口翔容疑者(24・無職)が、電子計算機使用詐欺容疑で同県警萩署に逮捕された。
翌日朝に放送された「めざまし8」(フジテレビ系)でもこの逮捕を取り上げたのだが、一方で前日の報道内容についてアシスタントの永島優美アナが謝罪。「ここで訂正があります。昨日の放送で『誤送金を受けた24歳の男性とみられる人物が100万円近い現金を持ってパチンコ店を訪れた』とお伝えしましたが、田口容疑者の民事事件の代理人弁護士によると、田口容疑者は100万円を持ってパチンコに行った覚えはないと話しているということです。お詫びして訂正いたします」とし、MCの谷原章介も「申し訳ありませんでした」と頭を下げたのだ。
「その前日の放送では、“独自”とまで打ち、田口容疑者の知人という人物による『(田口は)平日は仕事で、休みになるとパチンコに行くと言っていた』との発言を紹介。さらに、パチンコ店で田口容疑者とみられる男と話したことがあるという女性が登場し、会話のやり取りを説明。その際、男は財布に100万円近い現金を入れていたとし、加えて女性が『遺産みたいな感じでまとまったお金が入ったから遊べるんだ、と言っていた』と詳細を語るVTRを流していたんです」(テレビウォッチャー)
結果的に「ガセ情報」を流したことで謝罪に至ったわけだが、視聴者からは《謝罪して済む問題ではない》《いくら犯人と思われる人物でも確認を取りきれない情報を流していいのか》とした怒りの声がネット上で飛び交っている。
「田口容疑者が否定している限り、確たる証拠がなければ謝罪するしかない。おそらく裏が取れなかったか、誤った情報を鵜呑みにしてしまったのでしょう。この報道内容は、田口容疑者が認めているネットカジノ以外にもカネを利用した可能性を示す重要なポイントだったことから、各メディアも『めざまし8』が伝えたこととして続々掲載。瞬く間にネット上に広がったため、翌日の“訂正”は大きな波紋を広げました。同番組では5月11日、同日に亡くなったダチョウ倶楽部・上島竜兵さんの死去を報じた際、わざわざ上島さんの自宅前から生中継したことで、厚労省が注意喚起に踏み切る事態になった。報道を過度に繰り返さないこと、自死に用いた手段について明確に表現しないこと、自死が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと、などの自死報道ガイドラインを守るようにという指示でした。これでフジテレビは大炎上したばかり。そこへ立て続けに今回の大失態ですから《まったく反省していない!》との批判が出ても致し方ありません」(テレビ誌ライター)
どうやら、番組作りの視点が視聴者の感覚とだいぶズレているようだ。