日本ハムの球団関係者が、溜息交じりにベンチ裏の内情を明かすのは、BIGBOSSこと新庄剛志監督と、未完の大器から脱皮できずにいる清宮幸太郎の関係についてである。
「5月25日の対ヤクルト戦、9回一死ランナー1、3塁で重盗を仕掛けたシーンです。この回に勝ち越し打を放った清宮が大失態を犯してしまいました。注文通りに相手キャッチャーの2塁送球を誘ったにもかかわらず、3塁ランナーの清宮のスタートが遅れて、本塁で憤死。すかさず救いを求める表情でベンチにリクエストを求めましたが、新庄監督は目を合わせることなく拒否。裏の守備から懲罰交代となりました」
そのまま逆転を許し、チームはサヨナラ負け。勝ち試合を落とした無念も相まってか、BIGBOSSは、
「あんなミスしていたら、一生上がっていけないよね」
と、清宮へのイラ立ちを隠さなかった。前出の球団関係者が言う。
「清宮、野村佑希、万波中正の3人を主軸で起用する方針を掲げていますが、本来なら清宮は新庄監督の構想外。理想に掲げる『走れる選手』にはほど遠い。あくまでチームの編成を実質指揮する吉村浩チーム統括本部長の指示で、やむなく使っているにすぎません。新庄監督は、監督として招聘してくれた吉村本部長には頭が上がりませんから」
7球団競合の末に獲得した長距離砲は、来年開業する新本拠地の目玉選手の1人にカウントされている。そんな清宮の価値を見出すために、球団の力がフルに注がれているようで、
「金子誠野手総合兼打撃コーチや、本業そっちのけで1軍本体に帯同している稲葉篤紀GMが、試合前の練習で打撃指導する風景をよく目にします」(スポーツ紙記者)
高校通算111本塁打を記録した、輝かしいアマチュア時代からの暗転。この早熟すぎるエリートへの苦言は、チーム内だけに留まらない。
5月28日の巨人戦で1試合2アーチを放ちながら、翌29日の同戦では無死満塁で見逃し三振。一進一退が続く清宮と指揮官の関係性をはじめ、球界には遺恨めいた話があるわあるわ──。
発売中の「週刊アサヒ芸能」(6月9日号)では、中日の中村紀洋打撃コーチ緊急降格の真相や巨人・岡本和真とロッテ・松川虎生との確執など、セ・パ交流戦の遺恨を総ざらいしている。