小栗旬主演のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第21話が5月29日に放送され、新垣結衣演じる八重が川に溺れる子供を助けて亡くなってしまった。この展開に、ネットでは号泣コメントが殺到。星野源と結婚した時以来の「ガッキーロス」が広がっている。
今回の大河ドラマは、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝(大泉洋)を支えた幕府の2代目執権・北条義時(小栗)を始めとする、13人の家臣団による権力パワーゲームを描く。第21話では、義経(菅田将暉)を失った頼朝軍が奥州に攻め込み、藤原泰衡(山本浩司)を討ち取り凱旋。頼朝がいよいよ上洛を目指す、といった展開を見せる。
そんな中、子供の面倒を見る八重は、親を失い天涯孤独となった男の子・鶴丸の面倒を見てほしいと頼まれ、引き受ける。ところが義時と八重の間に生まれた子・金剛と取っ組み合いのケンカ。諌める母・八重に「母上は金剛の母上です。私だけではダメなのですか」と思いを口にする金剛を抱きしめ「あなただけがいちばん大事」と笑みを浮かべる。まさに仏のような姿に「キュン死」する視聴者が続出したという。ところが、思わぬ悲劇が八重を襲う。
テレビ誌記者が解説する。
「八重が三浦義村(山本耕史)と一緒に子供達を川遊びに連れて行くと、義村が用を足しているうちに、鶴丸が川に取り残された。岩にしがみつき怯える姿を見た八重が自ら川に入って鶴丸を助けるのですが、力尽きて命を落とすのです。このシーンに『嘘でしょ』『残酷すぎる』『これは完全に立ち直れない。ガッキーロスです』とのコメントで溢れました」
さらに川で溺れる鶴丸と、川に沈められ亡くなった息子・千鶴丸を重ね合わせ、自ら命を落とすといった展開にも称賛の声が。
歴史研究家によれば、
「言い伝えによると、八重姫は頼朝との仲を引き裂かれ、絶望の末に伊豆真珠ヶ淵へ身を投じて亡くなったという伝説もあります。岩にしがみつく鶴丸を見て、最愛の息子の命を助けることができなかった八重の、切ないまでの思いが重なるこのシーン。今作でも秀逸の名場面となりました」
川の水面に姿を消す八重の姿は、大河における名場面として長く語り継がれるに違いない。
(窪田史朗)