同様に、巨人との因縁が渦巻くのは楽天の西川遥輝(30)。5月に失速したものの、4月には月間MVPを獲得。昨オフにノンテンダーという半ば戦力外として日本ハムから放出されながら、首位をひた走るチームの切り込み隊長的ポジションを確立した。巨人球団関係者が語る。
「1番打者を固定できずにいる巨人は、喉から手が出るほど西川が欲しかった。メディアが気を遣って巨人サイドが手を引いたような図式で語られがちですが、実際にオファーを蹴ったのは西川のほう。現在の推定8500万円の年俸よりも好条件となる、億超えを提示したにもかかわらずです」
金よりもネックになったのは、巨人特有の層の厚さで、
「レギュラーはもとより出場機会が保証されない環境が懸念材料でした。かつてチームメイトだった陽岱鋼(35)や昨季途中で移籍した中田翔(33)の処遇や落ちぶれぶりにビビッてしまったそうです。常に若手や外国人選手と競争させられ、古巣では考えられない雑な扱いを受けてますからね。同じく1番打者を求めていた楽天に決めて正解でした」(スポーツ紙デスク)
逃した魚は大きいとは、実に言い得て妙。巨人の外野両翼に配置された新外国人は、記録に残らないお粗末守備を連発中。攻撃重視のファイヤーフォーメーションに、投手陣の怒りのボルテージは最高潮に達している。
「ポランコ(30)もウォーカー(30)も打棒は合格点ですが、守りは草野球レベル。現状、ライトやレフトに打たれるたびに長打を覚悟しなくてはならない。投手陣の中には『西川さえいれば‥‥』と、いまだに恨み節が止まらない人間もいるようだ」(球団関係者)
その逆恨みが、いわれなき死球合戦などに発展しなければいいのだが‥‥。
また、西川とともに犬鷲軍団を支える扇の要・炭谷銀仁朗(34)も要注意人物の1人だろう。
「昨季、当時の阿部慎之助2軍監督(43)に直訴して楽天に移籍した炭谷は脅威です。彼のリードは、どういう性格の選手が追い込まれた時にどういう反応をするのか、個々のデータを頭にインプットした完全オリジナル。田中将大(33)ら投手陣からも大好評なんです。巨人に2年半もいましたから、新戦力以外の弱点は丸裸も同然でしょう」(在京球団スコアラー)
移籍後の初顔合わせ。巨人をきりきり舞いに料理してくれるかも。