6月7日、さいたまスーパーアリーナで行われたボクシング世界バンタム級の3団体統一戦は、WBAとIBFのベルトを持つモンスター井上尚弥と、WBCのベルトを持つレジェンド、ノニト・ドネアの2年7カ月ぶりの再戦だった。
結果はご存じの通り、第1ラウンド終了間際、左のフェイントに引っ掛かったドネアの顔面に井上の高速右ショートのカウンターが決まり、ダウンを奪うと、第2Rでまだダメージから回復しないドネアに井上が猛攻。最後は左フックでドネアをマットに沈めた。
この戦慄の試合に、世界中のボクシングファンがSNSへ投稿したのだが、
「日本国内では井上選手の強さを称えるコメントと、試合後のドネア選手の紳士ぶりに感動したという内容が多かったですね。海外では試合内容についてのものが多く、一様に興奮気味でしたね」(スポーツライター)
特に目立ったのが、なんと井上の名前の書き間違いだったといい、
「やはり日本人の名前は難しいんでしょう。ドネア選手の綴りを間違える人はほとんどいなかったようですが、井上選手に至ってはInoueときちんと書けない人が続出。おまけにNaoyaというのが聞き取りづらいのか、間違って書き込む人がとても多かった印象です。例えば海外ではナオミという名前の女性が結構多くいたりしますが、そのせいかNaomi Inoue、つまり井上ナオミと書いている人があちらこちらにいたんです(笑)」(前出・スポーツライター)
また、海外で多かったのは、アンチ井上の負け惜しみだったとも。
「39歳のジイさんを倒しただけ」
「この程度の試合でPFP(パウンド・フォー・パウンド)で井上が1位になったら悪い冗談だ」
などなど…。
熱烈ファン、そしてアンチも含め、井上の知名度が軽量級の垣根を越えて、世界に広がったことは間違いないだろう。
(飯野さつき)