今年だけで北朝鮮による「ミサイル発射」は17回。過去最多のハイペースで撃ち続けている。
4月25日に行われた「朝鮮人民革命軍」創設90年の軍事パレードの式典で金正恩総書記は、
「保有する核武力を最大限、急速に強化するための措置を取り続ける!」
と、結束を高めるために力強く宣言した。
武力による示威行動は日米韓に向けた挑発とばかりに、6月5日にはわずか35分間で、平壌郊外の順安など4カ所から弾道ミサイル8連射という異例の暴挙となった。軍事評論家の潮匡人氏が、北朝鮮の狙いについて説明する。
「複数の場所から同時に多数発射することで、攻撃を受ける側が迎撃困難となる『飽和攻撃』の能力があることを周辺国に誇示しました。高度や飛距離を踏まえて推測すると、発射された短距離弾道ミサイルは『北朝鮮版イスカンデル』と呼ばれる『KN23』や米国製の地対地ミサイル『ATACMS』に類似した『KN24』の可能性があります。放物線ではなく変則軌道が特徴で、全てを迎撃するのはほぼ不可能です」
北朝鮮の脅威は、5月25日に日本海に向けて発射された3発の弾道ミサイルで一段と高まっていた。折しも、アメリカのバイデン大統領が日本と韓国を歴訪し、帰国の途に就いた直後のタイミング。そこを見計らい、発射に踏み切ったのだ。
「大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる長距離弾のほか、準中距離弾と短距離弾を連射。準中距離弾は失敗こそしましたが、日米韓を同時攻撃できる能力を検証したと推測できます」(前出・潮氏)
日米韓のミサイル包囲網の安全性が脅かされるほど、ケンカ腰の北朝鮮。近日中に7回目の核実験に踏み切ると予測される中、「南北統一」に向けてどんな「核弾頭暴発シナリオ」を描いているのか。
米韓反撃も含め、発売中の「週刊アサヒ芸能」(6月23日号)で詳報している。