実は、加齢臭ができるメカニズムは、脳血管疾患や心臓病を招く生活習慣病になるメカニズムとまったく同じだという。五味院長が解説する。
「生活習慣病では血管の中で中性脂肪やコレステロールが増えると活性酸素も増えてきます。これが酸化されてできた過酸化脂質は酸化作用が強く周囲の脂肪やコレステロールを芋づる式に酸化していく。コレステロールが酸化されると悪玉コレステロールとなり、血管に沈着することで血管を狭め、動脈硬化となり、最終的に心筋梗塞、脳梗塞などへと進んでいきます」
加齢臭の場合は、このメカニズムと同じことが、皮脂腺で起きているというわけだ。
「そう考えると加齢臭イコール『メタボ臭』と呼んでもいいでしょう。若い時から急に加齢臭が強くなった場合には、体の中がメタボになっているサインだと考えるべきです」
こうした加齢臭の発生を食い止めるには、まず食生活を見直すことから始める必要がある。
「生活習慣病になる仕組みと同じと考えれば、メタボ検診における注意事項と同様、ストレスをためない、暴飲暴食を控える、適度な運動をする、睡眠を十分とる、などの生活習慣を守ることが大切です。中でも食事は重要で、油モノや肉類といった動物性脂質というのは、コレステロールのもと、つまり加齢臭のもとを食べているようなものです。抗酸化作用のあるポリフェノール、カテキン、イソフラボンなどを多く含む食品を摂取するためには豆腐、納豆、食物繊維の豊富な和食を主食とし、緑黄色野菜や海藻などを副食にすることをお勧めします」(五味院長)
それでもなお、自分のニオイが気がかりな人には「ノカレ」のほか、さまざまな消臭グッズも用意されている。
東急ハンズ新宿店では、3階のヘルス&ビューティーのフロアで特設コーナーを設け、こうした清潔感を高めたり、デオドラント効果のある商品を陳列している。販促担当の二宮養成氏が説明する。
「売れ筋の商品は柿渋石鹸など定番のものから、ニオイがついたあとに衣服の上から吹きかけるスプレー式のものなど多種用意していますが、嫌なニオイを消してほのかに香る微香性の商品が人気です。他にも特にニオイのきついワキや足の裏などに特化した製品、夏場では消臭効果のある下着も飛ぶように売れています」
こうした消臭グッズは、一度使用すると手放せないそうだ。