列島に春一番が吹き荒れ、待ちわびた春の到来だ。薄着になる日も増えてきたところで気になり始めるのが、他人の不快な「加齢臭」。イヤ、実は自分では気づかないだけで、周囲を困惑させているのはアナタかもしれないのだ。加齢臭ができるメカニズムの解説と併せ、最新消臭グッズを紹介、他では読めない「完全撃退法」を公開する!
〈子どもは独立し、夫婦2人暮らしの生活です。最近60歳の夫の加齢臭が気になってしょうがありません。老後は一緒に旅行やドライブに行くのを楽しみにしていましたが、そんな気分になれません。これからの気の持ちようを教えてください?〉(昨年6月29日付、読売新聞「人生案内」欄に寄せられた相談内容を要約)
同様の相談は、今もネット上の相談欄など、そこここにあふれている。ただのニオイが、生涯の伴侶を悩ます大問題になっているケースは意外に多いのだ。
体臭のメカニズムに詳しい「五味クリニック」の五味常明院長が解説する。
「加齢臭は皮脂腺から出るノネナールという物質が原因となります。アブラは酸化すると臭くなりますが、ノネナールもまったく同じ原理で臭くなります。誰しも年を取れば耳が聞こえにくくなったり、目が見えにくくなるなど生理的な加齢現象が起きますが、ノネナールも男女問わず年齢とともに出てくることになります」
一般的に、「オヤジ臭」などと呼ばれることも多いが、実は女性も同じニオイがしているのだという。
とはいえ、微妙なニオイの問題は、ふだんからケアしていることさえ気恥ずかしいという人も多いのではなかろうか。そんな中、昨年4月に発売されるや、「リップスティック感覚で気軽に使える」と評判を呼び、飛ぶように売れているのが耳裏専用の加齢臭対策クリーム「ノカレ」だ。
発売元のブラシナの石川裕也社長が語る。
「昨今は、『スメルハラスメント』なんて言葉があるくらいですが、ニオイに関するアンケートをすると『他人のニオイの中でいちばん気になるのは?』という質問では、1位は口臭、次いで加齢臭という順番になります。ところが、反対に『自分のニオイで気になるのは?』と質問すると、加齢臭はグッと順位を下げるんです」
これは、加齢臭が「自分では気づきにくいが、他人からすれば気になる」ニオイであることを意味している。
「加齢臭のもととなるノネナールは40代後半くらいから出てきます。分泌される部位としては、胸回り、ワキ、背中、頭皮からも分泌はされますが、一般的に加齢臭はどこから臭うかと聞くと、耳裏がいちばん多いんです。これは生活している中で、耳は唯一衣服で覆われていない部分であることと、お風呂に入ってもついつい忘れがちな個所になるためです。ですから、この部位をケアするものとして商品開発しました」(石川社長)
この「ノカレ」を耳裏に2~3回塗ることで、加齢臭成分ノネナールを91%削減する効果があるという。