これは巨額損害賠償の案件かもしれない──。
尼崎市民だけでなく、全国が唖然としたUSB紛失騒動。泥酔してUSBを紛失したのは、市から業務委託を受けた情報システム大手「BIPROGY」の協力会社の委託先社員だった。下請けの下請けの、さらに下請けである。
USBは無事に発見されたとはいえ、過去の個人情報漏洩事件ではなんと、企業に生じた被害額が200億円というケースがあったというから驚く。
「企業の損害200億円に加え、顧客1人あたり3万円の賠償金の支払いを命じられた判例もあります。はたして今回のケースが本当に賠償請求の対象となるような被害をもたらしたのかどうか、わかりませんが…」(社会部記者)
尼崎市の人口は約46万人。判例を元に今回のケースで試算すると、泥酔してUSBを紛失した40代の社員は、尼崎市と市民から200億円+138億円の損害賠償を請求される可能性がある、ということになる。実際にそんな事態に陥れば、自身だけでなく、親族も一瞬にして家と財産を失う。
USBにはセキュリティーがかかっており、パスワードで開けられた形跡はないとのことだが、酔った上でのミスが巨額賠償という破滅的地獄を招きかねないとは、げに恐ろしや、である。