ロシアのプーチン大統領が「対日強硬姿勢」を強めている。
6月7日にはロシアの外務省が、北方領土周辺での「安全操業」を認める協定の履行停止を発表。日本はこれまで協力金を支払って操業を続けてきたが、今後の先行きは完全に不透明となった。5月には、中露の戦略爆撃機による日本周辺共同飛行も行われるなど、緊張感は日に日に高まっている。
また、ロシアの左派政党「公正ロシア」のミロノフ党首は4月、「ロシアは北海道にすべての権利を有している」などと、脅しとも受け止められる見解を表明。日本との対決姿勢を強めている。
そんな中で懸念されるのが、ロシアによる「北海道侵略」だ。
「プーチン氏はかつて、『アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する』との考えを示したことがあります。これは言い換えれば、“北海道はロシアの領土”としていることに他ならない。日本人の多くは、まさかロシアが北海道を侵略するとは思ってもいないでしょうが、誰も想定していなかったウクライナ侵攻が現実のものとなりました。実際、1950年に始まった朝鮮戦争下でも、旧ソ連による北海道侵略の危機がありましたからね。ウクライナの戦況で手詰まり感のあるロシア軍が、一転して北海道に上陸作戦を仕掛ける可能性は決してゼロではないのです」(政治ジャーナリスト)
ロシアは旧ソ連時代の第二次世界大戦末期、どさくさに紛れ日ソ中立条約を一方的に破棄し、北海道占領を目論んで南樺太や千島列島などに侵攻している。ウクライナの戦争は決して対岸の火事ではないのだ。
(ケン高田)