続いては3位の広島。去年の追い上げを考えれば、今年も上位争いに食い込んでくる可能性は大いにあるでしょう。毎年10勝以上の勝ち星をあげる投手だった大竹寛が抜けたのは痛いものの、投手陣にはエースの前田健太にバリントン、野村祐輔といった面々が残っていますし、新たに加入した大卒ドラフト1位で即戦力の大瀬良大地は、藤浪晋太郎のようにルーキーでの2桁勝利ができる逸材です。
打線でも、安定した打率やホームランで勝負どころに強いキラや、若手有望株の堂林翔太などがいる点が、広島を上位に予想した理由です。
そして今シーズン、私がセ・リーグでいちばん台風の目になると感じているのが横浜DeNA。昨シーズンの順位は5位ながらもブランコやモーガンといった外国人選手の活躍もあり、打率は巨人と同率の2割6分2厘と抜群の攻撃力を誇るチームでした。
しかも、今年はメジャーリーグから帰ってきた元巨人の高橋尚成が加入し、かねてから指摘されていた投手陣の層も厚くなりました。対戦チームからすれば、去年のように簡単に点を取れるチームではなくなっているのです。今年はひょっとすると、阪神、広島を食ってしまう可能性を秘めていますよ。
そして下位チームである5位はヤクルト。これは昨年と同じく、エース・館山昌平の不在。毎年、10勝以上をあげていた選手が右膝のケガで突然いなくなってしまったわけですから、チームとしては非常に大きな痛手です。
館山の代わりと期待された左の石川雅規も、昨年は6勝のみと伸び悩み、結局新人であった小川泰弘に16勝をプレゼントしてもらいながらの最下位でした。今年も投手陣の面々を見ると、小川を頼りにするしかないチームの状況。この戦力で上位に食い込むのは、やはり難しい。
そして6位は中日。これもヤクルト同様、投手陣の崩壊がその要因です。
現中日GMであり前監督であった落合博満さんから絶大なる信頼をされていた浅尾拓也が、右肘の故障で今シーズン活躍できるのか読めないまま。守護神である岩瀬仁紀も、ここのところ調子がよろしくなく、先発陣、抑え投手ともに大きな不安を抱えたチーム。おまけに、ベテラン井端弘和の放出もあって、今シーズンの勢いにはあまり期待できないでしょう。
今年は昨年同様、巨人の背中を5チームが追いかけるのは間違いない。ただ、総力戦のできる短期決戦なら、巨人に勝てるチャンスはどのチームだって大いにあるはず。となると、盛り上がるのはAクラス争い。
どうにかクライマックスまで進み、そこで一発逆転で巨人を叩く。後半戦になればなるほど、各チームともその場面を虎視眈々と狙うようになるでしょう。
Aクラスの残り2席がどのチームが取り、また、巨人を倒すのか。ファンの方々もぜひ、その点を注目して、今年1年のセ・リーグを観戦していただければと思います。