7月10日に投開票される参院選。京都選挙区は、京都を地盤とする国民民主党の前原誠司代表代行が日本維新の会、楠井祐子氏を推薦したことから、ともに旧民主党を支えた前原氏と立憲民主党の福山哲郎前幹事長との対決が注目されてきた。が、ここにきて「京都を大阪から守れ」という戦いになっているという。
維新の勢いが強くなっていることを懸念する京都の選挙民から、
「『大阪は京都に口出すな!』という発言が目立ってきている」
と京都の政界関係者が明かすのだ。
一般に京都人は大阪人と一緒に「関西人」として扱われることを嫌うという。大阪のオバちゃんが「庶民の代表」という顔で話す姿がテレビで流れると、鼻で笑うのが京都人だとも言われる。
しかし、維新の楠井候補は前原票の下支えもあり、各社調査をみても大健闘。それもあってか福山氏は「京都のことは京都で決める」と叫んでいる。当然ながら、自民党も危機感を抱いている。
朝日新聞によれば、自民党の京都府支部連合会会長でもある西田昌司政調会長代理は7月1日、京都市内でこう話した。
「報道では期日前投票で自民党支持者の3割が維新の会に入れている。これがいちばん問題だ。維新の候補者が当選すると、来年の統一地方選で維新が候補を立て、再来年の京都市長選挙でも候補者を立て、京都が大阪化させられる。大阪のように、新型コロナ禍で行政が崩壊するようなことになってはならない」
参院選の前哨戦と言われた、今年4月10日に投開票された京都府議補選で、大方の予想に反して維新が自民、共産、立民を破り、勝利した。また、昨秋の衆院選では京都1区で新顔が比例復活当選を果たしてもいる。「京都の価値観」にこだわらない20代、30代を中心に、無党派層が「好きではないが、ベターだから」という理由で維新を選ぶ。
大阪の隣、兵庫県では昨年の衆院選で立候補した9人が全員議席を確保し、大躍進を遂げた。参院選兵庫でも維新の候補者はトップ当選を狙う勢いだ。
大阪が兵庫に続き、京都も「制する」のか──。参院選の行方が注目される。
(健田ミナミ)