原辰徳監督以下、岡本和真、丸佳浩ら主力を含め、選手と首脳陣が新型コロナウイルスに大量感染した巨人は、8月2日の阪神戦に3対6で敗れた。
7月20日以来、約2週間ぶりに試合を行ったが、タイムリーを放ったのは丸だけで、9回には1点ビハインドから中継ぎ投手が打ち込まれてしまった。まだベストメンバーが揃っておらず、選手起用は苦肉の策を強いられている。
原監督は「一丸となって戦おう」と呼びかけたが、笛吹けども踊らず。それでも「戦力が毎日100のつもりで戦う」と前を向いた。
思い通りにいかない戦況に、指揮官は再び動いた。球団OBで元メジャーリーガーの高橋尚成氏が、臨時投手コーチに就任したと発表したのだ。
米国在住で仕事のため日本と行き来している高橋氏は、家族の了解を得て8月20日までの約3週間、ファームを中心に指導にあたるが「超異例」な就任には、様々な思惑が渦巻いていた。球団関係者が顔を曇らせてつぶやく。
「一部では来季入閣の布石という話も出ているようですが、結局のところ、今の指導者では物足りないという原監督の意向を汲んでのものです。しかも2月や秋のキャンプ中ならまだしも、シーズン真っ只中にいきなり臨時コーチ就任なんて、前代未聞。原監督お得意の責任転嫁の駒として高橋氏が駆り出されたと、推察せざるを得ません」
短期間で立て直しを図ることは、本当にできるのか。