夏期ドラマが折り返し地点へと入り、秋元康が企画・原作・脚本を手掛ける連ドラ「赤いナースコール」(テレビ東京系)が終盤に向け、盛り上がりを見せている。
同作は、TVerでトップ10入りもままならないことがあったが、最新の7話(8月22日放送)が一時、3位まで急浮上するなど、ランキングにも変化が見られ始めている。
脚本家・春野翔太朗(Sexy Zone・佐藤勝利)と、恋人の三森アリサ(福本莉子)が、彼女の両親に挨拶に向かう途中で事故に遭い、車に同乗していた2人が病院に入院する、という背景から初回がスタート。病院内外で毎話、入院患者などが殺人に巻き込まれていき…というサスペンススリラーだ。ドラマライターが解説する。
「特筆すべきは、毎回死に追いやられていく人たちの、残虐な遺体シーン。映画であれば、PG-12どころかR-15指定までつきそうな、目を覆う殺人が次々と起こるのです。それらの手口には、よくぞここまで視聴者の恐怖心を煽る、バラエティーに富んだ方法を思いつくものだと、逆に『あっぱれ!』の称賛を送りたい」
中でも6話(8月15日放送)は、放送直前に「映像表現において特にショッキングなシーンがあります」という異例のテロップが流れ、話題を呼んだ。ドラマライターが続ける。
「事件を調査していた女刑事(堀口紗奈)が、病院内への潜入捜査と称し、看護師としてひとり乗り込んでいく。今まで以上に残虐かつ卑劣なやり方とは…と、ラストでの彼女の死に様は想像をはるかに超えたもので、多くの視聴者が言葉を失うほどの衝撃がありました。それを受けての7話も、冒頭から見応えがありましたね」
ゴールデン・プライム帯のドラマは、大抵がテレビ放送後にTVerランキングで上位に食い込む。ところが「初恋の悪魔」や「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」(ともに日本テレビ系)は、序盤での視聴率の伸びが今ひとつだったことに加え、トップ5入りさえ叶わない回もあった。それが最新話ではともに上位入りし、躍動し始めている。最新のドラマ満足度ランキング(オリコン)も、前者が2位(4話)。後者は9位(3話)につけた。
「赤いナースコール」の真犯人が気になるとともに、他作品の終盤に向けての巻き返しにも大いに期待したい。
(島花鈴)