ジャニーズ事務所とテレビ局の「深い関係」、そして「圧力と忖度」。そんな実態を報じた「週刊新潮」で明かされているのは、関西テレビの今年7月期「火ドラ★イレブン」枠のドラマ「ウソ婚」の知られざる舞台裏だった。
コトの発端はカンテレ制作、フジテレビ系列で今年1月期に放送された、元SMAPの草彅剛主演ドラマ「罠の戦争」にあった。ジャニーズ事務所は放送決定の早い段階でフジテレビにクレームを入れる。草彅が番宣でフジテレビの番組に出演した際も、ジャニーズは再度、苦情を言ったという。
草彅主演の「戦争シリーズ」はこれが第3弾。第2弾までは草彅がジャニーズ在籍時に制作されている。制作陣は第3弾を作る意向を早々に決めていたが、草彅がジャニーズを辞めたために、計画はいったん頓挫。草彅が2021年に「ミッドナイトスワン」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を取ったことで、フジテレビはようやくGOサインを出したという。ところがこれで、ジャニーズのカンテレに対する心象は最悪になってしまった。
そこでカンテレの上層部はジャニーズに対し「火ドラ★イレブン」枠を差し出したのだと。具体的には、向こう2年間にわたり、1年に2クールずつ計4クールをジャニタレ主演ドラマとすることを約束したというのだ。その第1弾が、現在放送されているSexy Zone菊池風磨主演の「ウソ婚」というワケなのである。
「スポンサーのジャニーズ離れが加速する中、このまま予定通りいくのかどうか、先行きが見えなくなってきました。『ウソ婚』の提供はセブン銀行やアサヒビール、花王などですが、アサヒも花王も今後、ジャニーズタレントを広告に起用しないと発表しましたからね。スポンサーがジャニタレ出演ドラマをOKするのかどうか…」(テレビ局関係者)
東山紀之社長はメディアとの関係について、今後は「忖度なく公平に」と宣言している。「火ドラ★イレブン」の忖度もなくしていいのでは。
(石見剣)