テリー で、家族は来てくれたの?
二郎 東京から大阪なので。奥さんと3歳の娘が来たのは夜中の12時頃ですね。
テリー 家族の連絡先はハチミツさんが自分で病院の人に教えたの?
二郎 いや、「もう死ぬから家族呼べ」ってなった時に、誰かが「この人、NGKから来たから芸人さんじゃないですか」って言い出したんですね。大阪でNGKって言えば、すぐ「芸人だ」ってなるんで。それで携帯を渡されて「会社の人の番号を出してくれ」って言うんですよ。「会社の人に言えばご家族にも伝わりますよね」って。で、マネージャーの番号を出したんですけど、それだと家族には伝わらないんですよ。吉本って大きくて、マネージャーがしょっちゅう変わるんで、いちいち家族の電話番号なんてマネージャーに教えないんですよ。
テリー ああ、そういうことか。
二郎 それでも、どうにか伝わって、「死ぬからすぐ来い」って電話があったみたいですけど。
テリー でもさ、急にそんな電話が来たら、奥さんビックリしちゃうよね。で、結局、入院はどのぐらいしてたの?
二郎 それが、さんざん「死ぬ死ぬ」って言われたのに、2人が来た時には血中酸素飽和度が95%まで上がってたんですよ。酸素マスクを取ると90を切っちゃうんですけど。でも3日目には酸素マスクを取っても95になって、点滴も治療も何もなくなって。それで4泊ぐらいで帰してもらいました。
テリー そのぐらいで済んで良かったねぇ。
二郎 別に肺炎になったわけではなくて、急性肺炎で肺に水があふれて、心不全になったみたいで。水を抜いたら、すぐ戻ったみたいですけど。
テリー で、次はコロナでしょう?
二郎 そうですね。一昨年の第2波の頃に。そういうことがあったので、主治医がいて、2カ月に1回、血糖値とか血圧を計ってたんですよ。で、「二郎さん、コロナになったら確実に重症化するんで、気をつけてください」って言われてたんですけど、それでもかかりましたね。
テリー コロナも大変だった?
二郎 酸素マスクを着けて救急車で運ばれたんですけど、「人工呼吸器を入れます」って言われてから、もう記憶がないんですよ。全身麻酔を打たれて。それで起きたら8日経ってました。
テリー 8日も意識がないってすごいよね。
二郎 当然、次の日だと思って目を覚ましたら、みんながワーワー寄ってくるから、何だろうと思って。それで看護師さんが移動型のテレビを持ってきてくれて。12月14日に運ばれたんですけど、テレビをつけたら「もうすぐクリスマスです」って言ってて「あれ?」と思って。そしたらドクターが来て、8日間寝てましたって。
テリー なんで全身麻酔だったんだろうね。
二郎 喉に掃除機のホースみたいなのを入れなきゃいけなかったからなんですけど。
テリー そんなに重症だったの?
二郎 あとで知り合いの医者に聞いたら、「たぶん今だったら、そこまでやらないだろう」と。まだコロナが何者かわからない時期で、しかも大学病院だったので、研究材料にもなりつつという感じだったみたいです。
テリー そうか、まだ模索してる時だったから。短期間に2回も死線をさまよって、何か人生観とか変わった?
二郎 2回も生き返ったんだから、3回目も死なないだろうって思ってますね。今は無敵になったような感じです。