ついに本丸に火がついた! 閣僚のみならず、政治家と旧統一教会の接点が次々と明るみに出る中、総理の後援会会長が関連団体の議長を務めていたことが発覚。知らぬ存ぜぬ戦法は破綻して支持率は急降下。退路を断たれて「教団排除」を宣言した岸田内閣だが、生殺与奪の権は教団側に握られているのだ。
「政治家としての責任において旧統一教会との関係を点検し、厳正に見直すよう指示した」
内閣改造前、こう言って大見得を切った岸田文雄総理(65)。しかし、フタを開ければ新閣僚8人に教団及び関連団体との接点が浮上して“統一教会汚染”と呼ぶべき癒着体質が白日の下に露呈した。さらには8月24日発売の「週刊文春」では「岸田首相後援会長は統一教会系団体の議長だった」と“身内”のスキャンダルまで報じられ、尻に火が付いた有様だ。
ジャーナリストの須田慎一郎氏が語る内閣改造失敗の原因は、
「今回の組閣は官邸が一本釣りする形ではなく、派閥サイドの意向を反映した組閣です。そのため、官邸で身体検査が行われなかったことで、国民から批判が集まっている統一教会問題をクリーンにできなかった」
一方、二階俊博元幹事長(83)は24日の講演で「電報を送ってくれと言われれば打つんですよ」「応援すると言われれば、よろしくお願いしますというのが合言葉だ」と、選挙運動中に統一教会関係者を排除するのは難しいという自論を展開。さらには「自民党はビクともしない」と居直る始末だ。
果たして自民党はどこまで浄化に本気なのか。政治部キャップが官邸の内幕を打ち明ける。
「発売前日に『文春』をチェックした岸田総理は『これはひどい内容だ。自分と統一教会を恣意的に結びつける記事だ』と憤っていた。確かに、萩生田光一政調会長(58)のように自身が教団関連施設を訪れるなど直接関係を持ったわけではない。コロナ問題と合わせて釈明すれば、そのうち鎮まる問題だとタカをくくっていたのです」
だが、記事の反響の大きさにひるんだのか、24日にリモートで行われた総理会見では、「もう一段踏み込んだ、国民の不信を払拭する方策」の必要性に触れ、26日には党所属の全国会議員を対象に調査を開始した。
しかし、選挙支援などでズブズブの関係を築いてきた教団と一朝一夕に絶交できるものなのか。
「旧統一教会サイドは選挙に弱そうな政治家に接近してくる。全国比例区候補には、選挙対象が広範囲になるため組織的な動きをする教団はありがたい存在になる。反対に関係を切ると言えば選挙で立場が弱くなる。それでも関係を切ることができるかは政治家個別の問題になる」(須田氏)
もっとも、旧統一教会問題を20年にわたり追い続けるジャーナリストの鈴木エイト氏によれば、コトはそう簡単ではない。
「関係の濃淡によります。電報を打つ程度の薄い関係なら断ち切ることはできる。一方、濃い関係になると厳しくなる。国会議員の中には秘書として事務所に引き入れたり、後援会を丸抱えしてもらうなど旧統一教会の助力がないと事務所運営や選挙活動ができない政治家が少なからずいるのです」
8月25日、山際大志郎経済再生担当相(53)は、関連団体の国内イベントにとどまらず、ネパールと韓国で行われた国際会議に出席した疑惑を追及され「記憶にない」「出席したと考えるのは自然だと思う」などと、もはや言い訳にもならない“奇弁”でシラを切ったのだが‥‥。