実際、関係を断つことは容易なことではない。というのも参院選で新人候補の生稲晃子氏(54)を伴い教団関連施設を訪れた萩生田政調会長の“変節”をたどってみれば火を見るより明らかだろう。
8月19日の囲み会見では、「二度と関係を持たないのか」と質問されると「一線を画していく」「適切な対応をする」と曖昧な逃げの回答に終始。しかしその後、24日放送の「プライムニュース」(BSフジ)に出演した際、「今後は関係を持たず政治活動をやっていく」と宣言したのだ。
政治部デスクが危惧する。
「旧統一教会との関係を断つことを明言しなかった萩生田氏ですが、批判を浴びた末に、ようやく関係遮断を宣誓させられた形となりました。旧統一教会が恐ろしいのは選挙支援で実際に事務所の内部に入り込んでいることです。ギリギリの選挙戦での“実弾”、いわゆる裏ガネから、過去の女性問題、身内の不祥事などスキャンダルを調べ上げている。ことに萩生田氏は高校時代には“番長”だったこともあり、ネタは豊富。今後教団による猛攻撃を受けることは避けられないでしょう」
果たして、09年の衆院選で落選し、3年の浪人生活の辛酸を舐めた萩生田氏がどこまで耐え切れるか。
「下手に関係を切るなどと言い出すと教団の逆鱗に触れる恐れもあります。萩生田氏の場合には、国会議員になる以前の市議会議員の時代から教団と関係があったと証言する現役信者が出てきている。萩生田氏が関連施設を訪れた際に、信者によるビデオやカメラの撮影は禁止になっていましたが、主催する関連団体が撮影をしていなかったとは限らない。今後も教団に不利なことを言えば、政治生命が危うくなるようなネタを信者に語らせるなど小出しに脅してくる可能性があるのです」(鈴木エイト氏)
しかし、弱みを握られているのは何も萩生田氏ばかりではないという。
「岸田総理の党をあげて調べるという方針は旧統一教会への宣戦布告となる可能性があるのです。これまで明らかになった、旧統一教会による選挙支援は道義的には問題があっても、ボランティアで行っているだけに違法性がなく法的な問題にはならない。しかし、旧統一教会から推薦を受けて選挙で戦っていたとなれば話は別です。実際、一部国会議員は旧統一教会から推薦状を得て当選していたという話が出ている。推薦状は党本部の許可なしに受けることはできない。つまり、茂木敏充幹事長(66)の『党組織として関係していない』という発言が吹っ飛ぶことになる。旧統一教会はこの推薦状リストを持っている。すでに情報番組のバッシング報道を受けて、キー局との癒着をバラす“逆暴露”を仕掛けてきたが、次は岸田政権が標的になる」(デスク)
岸田内閣が目論んでいた黄金の3年は、悪夢の3年と化すのか。