ここのところ、小池百合子東京都知事がやたらと元気だという。
「自身の元秘書で、元都民ファースト代表の荒木千陽氏が参院選に出馬しましたが、小池氏の懸命の応援にもかかわらず落選。さぞ落胆しているものと思いきや、その参院選後、いつにも増して大車輪の動きを見せているんです」(都政担当記者)
例えばこうだ。8月12日は官邸で岸田首相とコロナと物価高対策の要望で面会。23日には神宮球場にヤクルトのユニフォーム姿で始球式に登場し、村上宗隆選手からサイン入りボールをもらい大はしゃぎだったという。
また26日の定例会見では安倍晋三元首相の国葬に触れ、「今の日本で世界に名が知られているのは、大谷(翔平)さんと安倍さんだ」などと指摘。「安倍さんがせっかく残したレガシーがもったいない」「国葬にしない場合、世界の多くのリーダーが『あれ?』と思うのではないか」などとまくしたて、国葬反対派を牽制するありさま。さらに…。
「8月29日から9月3日までは、インドネシアとマレーシアの2カ国に出張した。都によると、インドネシアではジャカルタで開かれる気候変動対策の国際会議に出席。マレーシアではクアラルンプールで都市インフラに関する意見交換を行い、両都市の協力関係を確認しています」(前出・都政担当記者)
そんな一連の小池氏の活発な動きに、周囲は「何が起きているのか」と首をかしげる。というのも、昨年は体調不良で2度も入院。以降は体をいたわるように「慎重運転」が続いていたからだ。
その裏事情を、小池氏周辺の関係者が明かす。
「参院選に大勝した岸田政権が、旧統一教会問題に物価高、コロナ対策と大揺れで、支持率が一気に危険水域直前にまで急降下。一部では政権崩壊危機も囁かれ始めている。旧統一教会絡みでは、これまでポスト岸田として有力視されていた議員が次々と身動きが取れなくなりつつある。裏を返せば、小池さんが国政のために動くチャンスが大きくなったということ。彼女はもともと政局混乱が大好きで、闘争のドサクサの中で勝ち残ってきた女性。最近の活発な動きは、ここぞとばかりに政治家の血が騒いでいるのかも」
小池氏は都知事選に出馬する際、「清水の舞台から飛び降りる心境」などと語っていたが、再びその勢いで国政に動き出すことがあるのか。なんとも不気味だ。
(田村建光)