現在、JRA通算32勝の今村聖奈騎手。これで30勝以上の新人最多勝騎手に贈られるJRA賞最多勝利新人騎手(通称・新人賞)の規定をクリア。現在、新人騎手2位の角田大河が17勝なので、表彰されることは確実だろう。
ちなみに、50勝以上で同賞を受賞したのは、1987年の武豊(69勝)、96年の福永祐一(53勝)、2008年の三浦皇成(91勝)の3人だけ。今の勢いをもってすれば、11月中にもその仲間入りをするに違いない。
「フェニックス賞(8月13日)のミカッテヨンデイイのように、斤量の恩恵のない特別戦でもしっかり結果を出しているから立派。女性騎手は一般的に追えないと言われるが、彼女はそんなことはない。外から捲くってきて、豪快に勝ってみせる。そこが凄いところだ。だから、馬主も調教師もこぞって乗せようとする」(栗東トラックマン)
ただ、一つ気がかりなのは、ここへきて制裁を受けるケースが多くなっていること。現在、制裁20点で制裁ランキングの13位。30点になると再教育を受けることになるから、少々心配だ。実際、「他馬に迷惑をかけてすみませんでした」といったコメントもよく見られる。
デビュー当時とは比較にならないほど乗鞍が多くなっているため、制裁点が増えるのも当然かもしれないが、それで委縮するような騎手ではないだろう。
9月4日(日)は、ミカッテヨンデイイで小倉2歳ステークス(GIII)に挑む。前走・フェニックス賞では、ノーステッキで1分7秒7の好時計勝ち。今回で4走目という強行軍と荒れてきている馬場が心配だが、能力的に上位争い十分可能だろう。夏の小倉の最後を締めくくることができるか、注目だ。
(兜志郎/競馬ライター)