確定申告の期日が近づいてきた。そこで、昨年51勝を挙げて最多勝利新人騎手賞を獲得した今村聖奈の年収がどれぐらいのものか、算出してみた。
昨年の収得賞金(中央+公営交流競走の総収得賞金)は7億9万3000円。このうち5%が騎手に入るため、これだけで約3500万円の収入となる。
このほか、騎乗手当1700万円、奨励手当(1回騎乗するごとに1万6000円)が970万円。つまり、6000万円以上も稼いだことになる。もちろん、エージェントやバレットに報酬を払うため、まるまるその金額が入るわけではないのだが。
ちなみに、これまで女性騎手の最高収得賞金は、藤田菜七子が19年に43勝を挙げた際の、6億827万円。それをデビュー1年目で抜き去ったことになる。
「今村が最も稼いだのは、重賞のCBC賞をテイエムスパーダで勝った7月3日。この日の成績は2勝、2着1回、3着1回、着外4回で、300万円以上を稼いでみせました。大卒新入社員の平均年収は200万円から250万円といわれますから、それ以上の額をたった1日で稼いだというわけです。この日のレース後、父親(今村康成調教助手)と一緒に食事をしていますが、もちろんその時は彼女がキャッシュで払ったそうですよ」(栗東トレセン担当トラックマン)
実は彼女の収入は、これだけにとどまらない。馬に稽古をつけた際の「調教料」や、所属厩舎から入る「厩舎所属契約料」などもある。さらに、芸能プロダクションのホリプロとマネージメント契約を結んでいるため、そこからの収入も。
これらの総額がどれくらいあるかは定かではないが、1000万円近い金額になるだろうと言われている。トータルで、7000万円以上の収入になるわけだ。プロスポーツの世界で生きている女性は数多いが、新人でここまで稼いだ例は過去になかったのではないか。
今年はこれまで3勝を挙げて、リーディング16位(1月15日終了時点)。2月末までは稼ぎ時となる小倉競馬があるため、一気に勝ち星を増産するチャンス。さらに3月からは、同じエージェントの福永祐一が引退によっていなくなる。そのぶん、いい馬が回ってくる可能性は高い。
こうしてみると、今年は1億円以上を稼ぐ公算大…なのではなかろうか。
(兜志郎/競馬ライター)