今村聖奈騎手が勝てない。先週は16鞍に騎乗して馬券に絡んだのはハッピーアズラリーの2着(4番人気)とカーモスの3着(1番人気)にプロトアステールの3着(2番人気)の3度だけ。しかも、その中身が良くないから困る。
ほとんどと言っていいほどスタートが決まらず、レースの流れに乗れていない。負けるべくして負けている。その証拠に今村騎手自身、日曜5Rのプロトアステールに騎乗後、競馬誌の取材にこう語っている。
「ラストよく伸びていたように力はありますし、もっとしっかりゲートを出しておくべきでした。人気に応えられなくて申し訳ありません」
今年の競馬も3分の2が終了。現在、今村騎手は21勝でリーディングの38位だ。今のペースだと、昨年の51勝を上回ることはまず無理だろう。同期の佐々木大輔騎手が43勝をあげて前年9勝から大きく数字を伸ばしているのを見るにつけ、不甲斐なく思えてくる。しかも辣腕エージェント・小原靖博氏が馬を手配しているのだから、現在の成績は物足りないと言わざるを得ない。
「スマホの不適切使用という自らの過ちで1カ月騎乗できなかったのは痛かったが、それでも騎乗馬の質からして30勝はできたはず。今村騎手の魅力は逃げて良し、追い込んで良し、内を突いて良しと戦法の広さにあったが、今年はその良さがほとんど見られない。だから良い馬も回ってこなくなっている。まずはもっと積極的な騎乗をしてもらいたいよね」(競馬関係者)
そんな彼女は9月3日(日曜)の小倉2歳ステークス(GⅢ、芝1200㍍)でセイウンデセオに騎乗する。新馬戦で騎乗し、勝利をもたらした馬。そのときのレース内容が悪くなかったので、そこそこ人気になっている。坂路での調教で好時計をマークしたように調子も良さそうだ。勝利して不振脱出へのきっかけにしたいところだろう。
(競馬ライター・兜志郎)