9月27日に執り行われる安倍晋三元総理の国葬儀。都合16億円以上もの国費投入もさることながら、国民の半数が実施にノーを突き付けている最大の理由が、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題にあることは言うまでもない。
岸田派の有力幹部が、追い詰められた表情で危機感をブチまける。
「一連の旧統一教会問題の原点は7月に起きた銃撃事件にあり、安倍元総理は自民党と旧統一教会との腐れ縁を象徴するキーマンだった。にもかかわらず、岸田文雄総理は党内の安倍シンパに遠慮して、この一件に頬かむりを決め込んできた。いわば問題の根を不問に付したまま、国葬儀をゴリ押ししようというのだから、国民の不満や不信、怒りが爆発するのも当然。しかも10月上旬には、秋の臨時国会も控えている。野党各党は手ぐすね引いて開会を待ち構えており、前代未聞の『火ダルマ国会』になるのは確実だろう」
中でも血祭りに上げられるとみられているのが、国民をコケにする釈明を繰り返してきた、山際大志郎経済再生担当大臣だ。岸田派の有力幹部が続ける。
「野党側は安倍元総理の最側近だった萩生田(光一)政調会長を予算委員会に引きずり出そうとするだろうが、すでに閣僚ではない萩生田氏には、あの手この手で抵抗して逃げ切りを図る手も残されている。ところが現役閣僚である山際氏は、そうはいかない。NHKのテレビ中継も入る衆参の予算委員会で、野党側から連日のように厳しい追及にさらされるわけだから。そこでまたシドロモドロの答弁を繰り返せば、予算委員会は何度も紛糾、中断する修羅場と化し、国民のフラストレーションはさらに膨張していくことになる」
当然、岸田総理も任命責任を問われることになる。だが、「山際大臣の再任は、麻生(太郎)さんや甘利(明)さんの差し金だった」とは、口が裂けても言えない。
火ダルマになりながら、暗礁に乗り上げていく。「岸田丸」の断末魔が目に見えるようだ。