9月8日、自民党は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)やその関連団体との接点について、党所属の国会議員379人から自己申告の形で報告を受けた、点検結果を公表した。
旧統一教会との接点が確認された議員は、半数に近い179人。このうち繋がりが深いと判断された議員は121人だった。
この点検結果を受け、党本部で会見を開いた茂木敏充幹事長は次のように述べ、あらためて旧統一教会との絶縁を宣言してみせた。
「率直に反省し、今後は一切関係を持たないことを党内に徹底していく──」
だが、これで幕引きを図りたい党執行部の思惑とは裏腹に、野党はもとより、当の自民党内からも早速、疑念の声が噴出しているのだ。自民党の有力派閥幹部も、
「今回の点検は、一時的に党籍を離脱していることを理由に、細田博之衆院議長を点検の対象から外したり、すでに死去していることを理由に、安倍晋三元総理側への点検を実施しなかったりと、ハナからツッコミどころ満載だった。しかも、ウソの申告をして後にバレたとしても、ペナルティーを科されるわけでもない。実際、正直に申告した議員からは『アイツも関連団体の会合で何度も挨拶していたはずだ。それなのに、オレより出席申告数が少ないのはオカシイ!』といった不満の声が上がっている。要するに、点検は穴だらけのザル状態。これで国民が納得するとはとても思えない」
旧統一教会汚染の伏魔殿は、党所属の国会議員だけではない。実は国会議員以上に汚染されているのが、「第2の伏魔殿」と呼ばれている、党所属の地方議員なのだ。ポスター貼りやビラ配り、電話がけや街頭演説での動員など、旧統一教会信者による選挙支援がありがたいのは、国会議員も地方議員も同じ。だが地方選の場合、わずか数十票、数百票の差で当落が決するケースも少なくなく、旧統一教会信者票の重みは国政選挙の比ではない。先の自民党有力派閥幹部も、頷きながら次のように明かすのだ。
「しかも、来年4月には統一地方選が控えている。具体的には、都道府県や政令市の首長選(前半戦)に続いて、政令市以外の市区町村の首長選や議員選(後半戦)が行われる予定となっている。中には『このタイミングで、旧統一教会と絶縁できるわけがない』と豪語する党都道府県連幹部もいるほどだ。だから岸田(文雄)総理・総裁も執行部も、地方議員には手を突っ込まず、国会議員へのおざなり点検だけでお茶を濁そうとした」
今回のデタラメ点検の背後には、国民を欺くこんな闇が横たわっていたのである。