巨額のジャパンマネーを手中にした文鮮明氏の野望は太平洋を渡って広がる。ジャーナリストの鈴木エイト氏の解説によれば、
「文鮮明氏は長年アメリカで生活していますが、その根底にはその国を征服するという野望を持っていた。釣り好きで知られているが、アメリカでは『トゥルー・ワールド・フーズ』という水産食品貿易会社を成功させている。日本と同様に政治に結びつき、今でも共和党との強いパイプを保持しています」
米「ニューヨーク・タイムズ」は、日本の旧統一教会からアメリカに流れたカネは、76年から2010年までに36億ドル(4700億円)と報告している。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が詳述する。
「文鮮明氏は自伝で、日本で成功した次はアメリカに進出し、世界を統一することを明らかにしています。実際、71年に渡米した後、共和党へのロビー活動を開始している。73年にはウォーターゲート事件で窮地に立たされたニクソン大統領を援護する声明を発表し、全米にその名前を売ったのです」
その後、77年に米議会への政治工作「コリア・ゲート」が発覚して、文氏も脱税で逮捕され、米征服の野望は頓挫したかに見えたが、
「それでも、8月に韓国・ソウルで行われた旧統一教会のイベントでは安倍元総理を追悼すると共に、トランプ前大統領がビデオメッセージを送ったほか、ポンぺオ前国務長官など共和党のお歴々が直々に出席している。実はアメリカでも報じられていないが、統一協会信者がトランプ大統領復活を目指し、選挙重点地区で戸別訪問を開始している。今でも共和党と太いパイプでつながっているのです」(山田氏)
日本から吸い上げたカネを元手にアメリカで一旗揚げようとは、あまりに不埒すぎる。
「統一教は韓国内で献金が集まる構図ではなかったが、日本からの圧倒的な送金で韓国国内、対北・対米ビジネスを拡大させたということです」(黒田氏)
こうした実態を前に、鈴木エイト氏が糾弾する。
「日本で集金されたカネは、韓国の旧統一教会系の企業に流れていることが確認されています。その金額は一部報道によれば、9年で4900億円と報じられています。業績の悪い企業はこのカネで成り立っているだけに、解散命令で日本での法人優遇がなくなり、送金が途絶えればもはや立ちいかなくなります。韓国の教団はそのことをいちばん恐れているのです」
日本を震撼させた「霊感商法」は今や「献金」に姿を変えている。ジャーナリストの有田芳生氏によれば、来年5月に完成予定の「天苑宮」のために、日本人信者に新たに183万円(文鮮明氏と韓鶴子氏の現在の年齢を足したとされる額)の献金が求められているという。
一刻も早く、断固として関係を遮断することが焦眉の急なのだ。