安倍元首相の国葬が無事終了しても、永田町では野党の「国葬根拠」「旧統一教会と自民党との関係」の追及は続き、岸田政権は防戦に必死だ。
元自民党国会議員が言う。
「この状況を乗り越えるには、一つは国葬の基準作りをしっかりすること。また問題のある団体とは一切関係を断つ。つまりルールをきっちり国民に示すことです。二つ目は、次の総選挙で党所属国会議員の新陳代謝を急ぐこと。今後は問題団体などとは無縁のまっさらの優秀な新人をどんどん発掘し、当選させることでしょう」
特に二つ目の「次の総選挙を睨んでの新人発掘」は、水面下で着々と進み始めているという。
このOBの言葉を踏まえて、自民党関係者は現状を次のように説明した。
「新人発掘は相当活発にやってますよ。そんな中で、実は有力候補として思わぬ名があがっているんです」
その一人は、元NHKの政治・外交担当の解説委員も務めた岩田明子氏だという。岩田氏といえば安倍政権時代、安倍氏の懐に最も食い込んだ敏腕記者としても知られる。
「岩田氏は安倍氏の07年の電撃辞任のほか、20年の辞任でもスクープを飛ばし、今回の安倍氏の急逝の際にも自宅への弔問が許されたほど。そんな彼女は7月末にNHKを退局しており、政治外交ジャーナリストや企業コンサルタントとして歩み出すという。そこを自民党内では、安倍イズムを最も知る女史としてなんとか引っ張り込みたいと、説得に乗り出しているんです」(前出・自民党関係者)
安倍イズムの後継者として、もう一人期待されているのが、安倍氏の甥で岸信夫前防衛大臣の長男・岸信千世氏だ。先の自民党関係者が評するには、
「元テレビマンで今は岸氏の秘書を務めていますが、父親の体調がすぐれないこともあり次の総選挙で代わりに出馬する可能性が囁かれている。もともと子どものいない安倍氏が後継として養子に欲しがっていたという話もあるぐらいで、頭も切れ、弁も立つと評判です」
岩田氏、岸信千代氏のほかにも、すでに複数の有名新人候補が次々と挙がっているというが、次はどんな名前が飛び出すのか注目だ。
(田村建光)