旧統一教会問題で政治と宗教の関係がクローズアップされる中、自民党の小野田紀美参院議員(茂木派)の言動が注目されている。
その理由を自民党関係者が明かす。
「自民党と連立を組む公明党や創価学会の支援を自ら蹴って参院選挙区で圧勝した女政治家として、にわかにスポットライトを浴びているんです。今年初めに自公間で参院選での選挙協力の話し合いがもつれた時、公明は自民候補の推薦見送りもあると強気に出た。その際、彼女は即座にSNSで反応し、『政党が違うのですから、選挙は他党の推薦ありきでやるのではなく、それぞれ自由にやるのが自然ですよね。公明党さんの推薦見送り検討、共感します。お互いそれぞれ頑張りましょう! ってやつですね!』などと自公の選挙協力に否定的な見解を投稿。これが公明や創価学会を激怒させたんです」
後に自公は従来どおりの相互選挙協力体制を敷いたものの、小野田氏が立候補した岡山選挙区だけは最後まで選挙協力はなし。自民党関係者の間からは「公明、学会の支援がなくては120%負ける」と囁かれた。しかし一方で、若者を中心に「裏表がない堂々とした政治家」と称賛の声も続々上がり、結果は小野田氏が次点に18万票の大差をつけ圧勝したのだ。
「小野田議員はバリバリの改憲派で、改憲に慎重な公明党に対し日ごろから不満があったと言われています。そのため相互推薦に公明が慎重な姿勢を示したことはもともと渡りに舟で、公明抜きの選挙戦に打ってでたと囁かれている。とはいえ、一選挙区3~5万票はあるという公明・学会票とあえて決裂するなど、並みの自民党議員では絶対できない。度胸満点ですよ」(政治部記者)
さらに小野田氏が注目される理由は、異色の経歴の持ち主という点もある。自民党関係者が説明する。
「度胸の良さは、父親がアメリカ人、母親が日本人で、本人も米国生まれという国際的な感覚から来ているのかもしれない。大卒後は政治家を志すも、被選挙権が得られるまでは高身長とハーフの美形を活かしモデルも務めるなど社会経験も豊富。加えて、ゲーム会社に在籍歴があることから、SNSなどIT関係の知識にも長けている。それが若者の感覚とマッチしているのでしょう」
そんな小野田氏を高く評価していたのが、安倍元首相だ。7月8日、銃撃事件に遭う前日には岡山入りして、彼女を激励していた。
「安倍氏は日ごろから小野田議員について思いきりが良く潔い政治家だと評価し、今後は彼女のような政治家が日本には必要だと言っていましたよ」(前出・自民党関係者)
小野田氏は岸田改造内閣で防衛政務官に就任した。度胸満点、39歳の若手女性政治家の言動は今後、ますます注目を浴びそうだ。
(田村建光)