GPも夢じゃない 松岡健介がまくる!
トップクラスのスピードタイプでも、ラインで抵抗すればブロックできる。
「別府記念」(5月24日【土】~27日【火】)に出走予定のS級S班は、後閑信一と金子貴志。後閑はこのところ、やや精彩を欠いているものの、金子は松阪記念を勝っての参戦。2段駆けが望めそうだが、韋駄天・脇本雄太と地元九州勢が立ちはだかることになる。
九州を代表する自力型が地元の菅原晃。ここ2年連続決勝戦に乗りながら【8】【9】着は、ホームから先行したからで、今回は番手にはまりそう。松岡貴久の勝ち上がりが期待できるからだ。そのうえ“追い風”も吹いている。4月武雄記念で地元の荒井崇博が優勝したのがそれ。菅原は準決勝で荒井の1着に貢献、金子を3着に沈めている。
九州はラインが長くなれば脇本を叩き、金子のまくりを封じることは十分可能。菅原がキングメーカーから主役に躍り出る舞台は整った。
遠征で孤軍奮闘を強いられるのが菊地圭尚だ。自在な戦いが持ち味といっても、北日本勢が手薄で援軍候補は見当たらない。レースのうまさでどこまでカバーできるか、真価を問われるシリーズでもある。
さて、並びと展開。松岡貴─菅原─小野俊之の3番手を小野と同期の小倉竜二が固めて、地元勢は4車か。近畿は脇本─松岡健介─東口善朋で折り合い、中部は柴崎淳─金子。東日本は南関の松谷秀幸─中村浩士と、関東の後閑─宗景祐樹。菊地と木暮安由も進出してきそうだが位置はなく、ラインの切れ目でチャンスをうかがうしかない。
主導権は脇本に渡しても、間を置かずに松岡貴が巻き返す。金子はまくり狙いになる。
本命は松岡健。脇本が後位なら、後方を見ながら番手まくりを打てる。2月高松全日本選抜の準優勝者。少し気は早いが、上位が欠場中の今年は、グランプリ出場も夢ではない。対抗の菅原は、ラインの長さとホームバンクの利で逆転もある。3番手評価は、底力で金子だ。
伏兵は、城幸弘(山梨・96期)、101期の吉澤純平(茨城)と小岩哲也(大分)の機動型3選手。城は松阪記念で2連対と、S級の流れに慣れてきた。吉澤は武田豊樹の弟子であり、地元の小岩は兄が大介(S1)。FIでは、そろって優勝戦の常連になりつつあり、大物食いがあってもおかしくない。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。
◆アサヒ芸能5/20発売(5/29号)より