「電通発言」で10日間出勤停止の謹慎処分を受けたテレビ朝日の玉川徹氏が、10月20日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」でさっそく復帰し、「取材記者」としてスタジオ生出演した。
玉川氏は9月27日に日本武道館で行われた安倍晋三元首相の国葬で弔辞を読んだ菅義偉前首相について、電通が関与していたと、翌日の同番組で発言。これは全くの事実誤認だったことから謝罪に追い込まれ、局からは10日間出勤停止の謹慎処分を受けていた。処分明けの19日には同番組で再び謝罪し、今後は現場記者として取材し、それを番組で伝えていくと説明したのだった。
実はテレ朝関係者には後悔がある。「電通発言」の3週間前、9月6日の同番組で、玉川氏は事実誤認の発言をしていた後、注意できなかったからだ。
その日は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の宗教2世問題を取り上げた。玉川氏はスタジオで、宗教1世について「自分の人格ができ上ってから、自分で(旧統一教会を)選んだ」と発言。宗教2世については「2世は社会がなんとしてでも支えないといけないんだろうな、と思います」と、支援が必要との考えを示したのである。
これに対し、旧統一教会問題に詳しい社会学者の塚田穂高氏が、玉川氏の発言の誤りを指摘する。塚田氏は1世について「旧統一教会は正体を隠した勧誘をしている」と解説。これは広く認められた事実でもある。玉川氏は塚田氏からの修正に「そうですね」と認めざるを得なかった。
「あの時は、塚田氏がすかさず玉川氏の発言を訂正できていたからよかった。でも『電通発言』の時は、事実誤認をスタジオの誰も指摘できなかった」(テレ朝関係者)
玉川氏は「宗教1世発言」のミスを反省せず、3週間後に決定的な過ちを犯したのである。
「玉川氏はかねてから危なっかしい発言が少なくなく、注意を促すチャンスはいくらでもあったのに…」(前出・テレ朝関係者)
バッシングされまくった玉川氏は今後、しっかり取材し、発言することだろう。