大相撲の春巡業が始まった。3月31日に大阪府枚方市でスタートし、新関脇として春場所を6勝9敗で終えた王鵬が、稽古はじめに宇良、豪ノ山らと計6番を取った。4月27日の八王子市まで、25カ所を巡る。
「稽古は休まずしっかりできたらいい。できる限りやるつもりです」
王鵬はそう意欲を口にした。相撲ライターが言う。
「関脇として春場所に臨んだ王鵬は、前半戦から硬くなったこともあって、全く力を発揮できませんでした。この春場所はカウントする必要はありません。本人にはいい経験になったのではないですか」
王鵬にとっての刺激は、弟の夢道鵬が新十両に昇進したことだ。2歳違いの弟とは史上23組目の兄弟関取となったわけだが、2人の仲は「知っていることは教えてあげないと」と王鵬が言うように、非常に良好だ。先の相撲ライターによれば、
「兄弟横綱となったどこかの部屋の力士は犬猿の仲ですが、それとはえらい違いです。夢道鵬は貴闘力の4人の息子の末っ子。長男はプロレスラ―で、次男は力士、三男が王鵬。夢道鵬は王鵬と同じ、押し相撲です。5歳で相撲を始め、埼玉栄高校を経て大嶽部屋に入門したあたりは、王鵬と同じです。王鵬は足腰の鍛錬のために走る関取で、出稽古に行く時には電車を利用する。一風変わったところがありますが、夢道鵬は高校時代に数学が得意で、王鵬以上に変わり者」
もし強くなれば、人気が出そうだ。
(蓮見茂)