シャブが蔓延するのは、その“魔力”に取りつかれた人々がいるためだ。尋常ではない快楽に溺れた“中毒者”しかり、その需要に応じて供給を続ける“薬局”と呼ばれるヤクザも、クスリが生み出す利益に取りつかれた人間と言えるだろう。ひとたび、両者の関係が悪化すれば、ASKAのように事件が表ざたとなる。次なる逮捕者を、現役ヤクザが密告した!
「報道されていることが事実なら、MはASKA以上に大量のシャブを食っていることになる‥‥」
こう話すのは東京を根城にする広域組織の若手幹部だ。悪びれることなく、“シャブ流通”の一部を担っていることを認め、冒頭のように語りだした。
衝撃を受けたのはMの名だ。かつてアイドルグループの中心メンバーとして活躍し、その後は女優に転身。すっかり熟女と呼ばれる年齢になったが濡れ場を演じるなど、セクシーさも備わっている。まさか‥‥なのである。この若手幹部はMとの取り引きの始まりを、こう話した。
「数年前に、売人から『大口の客がいるのですが、直接、取り引きしませんか』と持ちかけられた。話を聞いたら、『芸能人だ』という。売人にはまとまった金を払ってやって、こっちで直接やり取りすることにしたよ。芸能人が相手なら、口止め料込みでシャブの値段も高くなるから、元は取れる。ただ、売り始めて、その購入量に驚いたんだ」
通常、重度のシャブ中毒者でも、1カ月に使用するのが4~5グラムと言われるが、Mは1カ月に10倍近い量を求めてきたという。そして、若手幹部が言った数年前はMの露出が極端に減った時期でもあった。
前出・若手幹部が言う。
「マンションに直接、届けさせていたが、玄関口に現れるのは男のほうが多かったというから、もちろんMが1人で使っていたわけではないだろうが、それにしても多すぎた。悪い男に捕まっていたんだろうね」
およそ1年間、Mとの取り引きは続いた。しかし、ある日、パタリと注文の電話がなくなったという。
「男と切れたんじゃないのか。十分に儲けさせてもらったし、こっちもパクられるのはゴメンだから、深追いはしない。ただ、あの量を今も使っていたら、警察に捕まんなきゃ死んでしまうよ」(前出・若手幹部)
悪い男に捕まったのは、Mだけではない。こちらも元アイドルのAである。先頃結婚した相手、アーティストのKが問題なのだ。
関東に本拠を置く武闘派組織3次団体組長が言う。
「半グレ連中が『ひでぇポン中の芸能人がいる。そいつを呼び出し金にしたい』と言ってきたことがある。そのポン中がKで、結婚する直前ぐらいのことだ。Kにシャブを売っている仲間から情報を買って脅すというんだから、どっちが『ひでぇ』のかと思ったものだ。ウチの組織の名前を出したいだけだろうと聞き流したけどね。Kがどうなろうと知ったことではないしな」
Aがシャブに溺れていなければいいのだが‥‥。