〈愛には愛で感じ合おうよ〉と訴えていたはずだった。ところが、ASKAの暴走は、2人の子供たちにも“愛なき犠牲”を支払わせてしまったのだ。
〈♪何度も打つよ~、残さず打つよ~〉
〈♪今からそいつを、これからそいつを、打ちに行こうか~〉
ASKAの逮捕後、街のカラオケではさまざまな種類の「替え歌」が飛び交っている。冒頭は大ヒットした「SAY YES」(91年)と「YAHYAH YAH」(93年)に“クスリ”を絡めたものだが、熱唱したのはASKAの長男・宮崎奏(26)だというから驚く。
「奏はバンド活動と並行して、六本木で会員制カラオケバーを経営していた。そこで『バカ親父』と言いながら、あんな歌を歌っていたんですよ」(常連のスタジオミュージシャン)
もともとソリが合わなかった父子だが、決定打となったのは昨夏の「週刊文春」の覚醒剤報道から。ASKAは報道を受け、10月17日号ではみずから記者に連絡して、胸中を語っている。そして問題視されたのが以下の発言だ。
〈クスリで唯一心当たりがあるとしたら、文春でも薬物疑惑が書かれたエイベックス社長の松浦(勝人)君。彼のパーティーなんかに呼ばれて行ったこともあるから、仲間だと思われたりしていたかもしれない。松浦君ともクスリの話はしたことないけど、彼にそういう噂があるってことは知っていました〉
突然、とばっちりを食らった松浦勝人社長(49)の怒りは容易に推察できる。
「記事が出てすぐに『人の名前を出す必要はないじゃないか!』って側近にぶちまけていたようです」(スポーツ紙音楽担当記者)
ASKAは自身への疑惑を松浦社長にすり替えようとしたが、これにはエイベックスの“報復”が待っていた。当時、ASKAの長女も長男も、そのエイベックスに所属するアーティストだったのだ。
「長女は『宮崎薫』(25)の名で11年にエイベックスからデビュー。長男の奏も同じ11年に『Little Blue boX』のギタリストとしてエイベックスからメジャーデビューしました。ところが、いずれも昨年の秋頃に契約を解除となっています」(音楽ジャーナリスト)
大物の二世のわりには売り上げが低迷したこともあるが、それにしても“ASKA暴言”からタイミングがよすぎる「解除」である。前出の音楽ジャーナリストが続ける。
「松浦社長の“鶴の一声”だそうです。自分の子供を預けている会社に対して、アーティストとしても父親としても、あまりにも常識を欠いた発言ですよ」
はたして“真相”はどうなのか──。エイベックス広報課の回答は以下である。
「週刊文春10月17日号に掲載された松浦に関する記事については、何の根拠もないものであり、当社および松浦の名誉を棄損する内容ととらえ、ASKA氏所属事務所へ抗議し、謝罪を受けております。また長女および長男の契約終了と本件については何の関係もございません」
それでも「通報したのが夫人だった」という報道を含め、ASKAが家族に与えた罪はあまりにも大きい。
◆アサヒ芸能5/27発売(6/5号)より