テリー それにしても浜田さんは、日活の全盛期というか、日本映画がいちばんまぶしかった時代の中心人物で、すごく素敵な人生を歩んできましたよね。
浜田 今思えば、確かにいい時代にやったもんですね。映画を全員が見ましたもんね。
テリー それこそ映画館に入れないくらい。
浜田 まだテレビがない時代だから。
テリー 例えば野外ロケなんかもすごかったんですか。
浜田 すごかったですね。旭さんの映画なんか、お祭りをやってくれて。
テリー 渡り鳥シリーズなんかね、あの祭りのシーンを撮るだけで市民が1万人ぐらいかな、協力してくれて。今だと「いくらかかるの」っていう話で、信じられないですもんね。
浜田 いい時代だったね。
テリー さっき日活の専属料が5万って言ってましたけど、今度は浜田さんが看板スターになっていくわけじゃないですか。そうすると大幅にアップしたんですか。
浜田 いや、僕は上がらなかったですね。あんまり「ギャラ、ギャラ」言わなかったから。
テリー テリーなんで言わないの。
浜田 言わないんです。当時、まだ若いから。
テリー でも、親が出てきてギャラ交渉したりとか。
浜田 親は出てこないですね。僕が日活の偉い人と話して、「お前いくら、いくらでいいだろう」「はい」って。それで終わりです。
テリー 旭さんとかのアクション路線より、浜田さんや吉永さんの青春路線の人気が出てきて、「俺のほうが客集めてるのに」って、疑問に思ったりしなかったんですか。
浜田 持たないですね。何かそれどころじゃなくて。映画に出られるだけで嬉しかったですから。
テリー 浜田さんは、ほんと人柄がいいんだなぁ。その頃にファンになった人たちは、今でも浜田さんを「青春スター」っていう目で見てると思うんですね。それはツラいと思ったりすることはないんですか。
浜田 毎年12月にディナーショーをやってるんですね。
テリー あ、はい。今年も12月17日にありますよね。「浜田光夫クリスマスディナーショー2022」。
浜田 そこに来てくれる人たちが、当時の青春物を見てくれてた人たちなんですよ。だから、みんな年も上のほうなんですけど。今でも温かく応援してくれて、本当にありがたいですよ。
テリー 実は僕、以前このディナーショーに行ったことがあるんですよ。
浜田 あ、そう?
テリー その時は浅丘ルリ子さんとか大原麗子さんがゲストで来てたな。浜田さん、歌うまいですよね。
浜田 いや、大したことないですよ。
テリー 何曲ぐらい歌うんですか。
浜田 10曲ぐらいじゃないですか。あとはゲストとトークしたり。佐藤利明さんていう映画評論家の人が出てくれて、昔の映画を見ながらっていう時間もあるんです。
テリー いいですねぇ。最高じゃないですか。
浜田 最高のショーにしたいと思います。
テリー じゃあ、浜田さんは、ほんとに僕ら世代にとっては、ずっと憧れの人だから。いつまでも輝いていてください。
浜田 ありがとうございます。
◆テリーからひと言
とにかくお体に気をつけて、お元気でいてください。もし機会があれば、吉永小百合さんとのデュエットも聞いてみたいなぁ。